速く、速く /  一般・アルペン班1年 前田 湧作

 冬の関東特有のからっ風が落ち葉を巻き上げ、同時に背中を押すようにタイムレースを走らせた。速く、速くと。
今年度のシーズンオフトレーニングの終わりを飾るように結果はついてきてくれましたが、それはあくまで雪上の為の準備。本番は雪上にあります。

 12月は雪上に向けての最終準備期間です。個人個人が自分にある時間を有効に利用し、スキーに関する用意しています。全体の練習は終了しましたが、夏季の間にした練習を雪上につなげる為にも自主練は欠かせません。でも、何よりスキー板の手入れをしっかりしなければなりません。道具を万全に近い状態にしてこそ、選手が全力を尽くせると思います。

 雪の温度によって色が違うワックスを暖かい気温用から寒い気温用へ、三種類のものを4回ずつ塗ります。その次に、寒い気温用から暖かい気温用へとまた同じく三種類を4回ずつ塗ります。最後に暖かい気温用と、寒い気温用の中間のワックスを5回塗ります。
 この作業をしている時が何をしている時よりも集中できます。「塗った分だけ速くなる、塗らないと勝てない。」と思うからこそスクレイパーにかける手に力が入り、ブラッシングに精が出ます。集中しすぎてワックスを溶かすアイロンが手に当たっても、反射的に手を離さない事が多々あります。それ程集中して板に訴えかけます。速く滑れ、速く滑れと。

 話は変わりますがタイムレースが終わった2日後から、ノルディック班の赤司さん、平岡さん、吉田は北海道の遠征に行かれました。なんとも羨ましい。ああ速く、速く雪上で合宿をしたい。

初心忘るべからず / マネージャー3年 館野 沙織

 時刻は朝の6時30分。約半年ぶりに、冷たい銀のドアノブに手をかける。

 汗と、ゴム製のボールと、湿布のような……
決して良い匂いとは言えないけれど、いつもの部室の匂い。
「あぁ、やっと、戻ってこられた。」
嬉しさと同時に少しの不安と、言葉で表せない感情が渦巻いて、もうすぐ練習が始まるというのに泣きそうになっている自分がいました。

 スキー部に入って、気付けばもう3年目になります。ほんの2秒くらい前まで「華の1女だ!」と騒いでいた私がもう上級生、運営学年。「4年間はあっという間だよ」という言葉が今になってやっと、響いています。

 お休みを頂いている間に、スキー部での生活を少しだけ振り返ってみたことがありました。

 新しい環境、慣れない”マネージャー”という役割。たくさん考えて、悩んで行動した1年目。
後輩ができて責任感が増すと同時に、上と下の板挟み状態になって苦しかった2年目。
そして、体調を崩して4月から部活に参加できず、自分を責めた3年目の前期。

 正直なところ、楽しい事、嬉しい事だけの2年半ではありませんでした。先が見えない不安から、逃げ出してしまいたくなったこともありました。しかしそんな時、いつも隣には支えてくれる同期や頼もしい先輩、頼ってくれる後輩がいたことを思い出しました。
 そして何より、大学生活の中で何かに真剣に熱中できること、切磋琢磨できる”仲間”がいることはとても恵まれている事なのだと改めて感じました。

 私の大学生活は、スキー部があってこそ成り立つものです。
朝、部室のドアを開けて「おかえり!」の一言を聞いた時、スキー部で活動できている事、当たり前のように練習に参加できる事が私にとって何よりの幸せなのだと気付きました。

 お休みを頂いている間は、「私は一体何をしているのだろう」とマイナスの感情ばかりでした。しかし、この半年があったからこそ気付けた事もたくさんあったため、結果的にプラスだったのではないかと、今はそう思えるようになりました。
残り1年半を切ったスキー部生活、私だからできること、私にしかできないことに正面から向き合い、全力で駆け抜けていきます。

3度目の夏を終えて / 一般・アルペン班3年 頼光 竜二郎

 今年度の陸トレもあと数回で終わる。待ち侘びた雪上での練習もすぐそこだ。
4月に新体制として副将という立場になった時は、どのように組織をまとめていくか悩まされた。今までの2年間自分が残せたものは何かを考えた時に、これと言って人に自慢出来るような結果は残していなかった。それでも副将を任された期待に応えられるよう、自分はこれから結果を出していかなくてはならない。
「三年としての、副将としての結果を残そう」これは夏季と冬季の両方の目標だ。
この目標を夏季は達成出来たか、こればかりは自分で評価できるものではない。周りからの評価だ。しかし残り半分の冬季の目標は、はっきりと達成したい。

 因みに、私から見た他の部員の評価は高い。
春には十人もの一年生が入部した。経験者も多数いるなかで、未経験者が負けじと陸上トレーニングに精を出している姿を見ると清々しく、誇らしい。この夏場の努力が冬に一番の気持ちの支えとなる。
 そんな中で、気づけば部の顔ぶれも4月からは変わることとなった。4人もの部員が部活を去っていったことは事実であり、部活の体制を考え直す機会ともなった。一方で、途中入部という形で部員が増えるという珍しい事も起きた。一人部員が増えただけでも他の部員に与える影響は大きく、切磋琢磨するためにも仲間は一人でも多い方がいいと改めて思う。辞めてしまえばあっけない物ではあるが、部員の1人1人が学習院大学輔仁会スキー部を構成する大切な要素だという事を忘れないでほしい。決して大きな部活では無いがゆえに部員一人の気持ちの持ち方一つで部活は大きく変われる。

 とはいえ自分自身が幹部として部の骨組みであるのは間違いなく、一番気持ちを強く持たなくてはならない。より高い位置から部活を見ていくためにも、自分は高みを目指して邁進するのみだ。

第4回タイムレースリザルト/10月28日(土) 天気:雨

男子 出走14:30   欠席者:吉田(佑)
順位 氏名 1 2 3 4 5 前回比 ベスト比
1 赤司 3’40” 3’49” 3’51” 3’55” 3’40” 18’55” 20’02” -1’07” 18’32” +0’23”
2 足立 3’47” 4’01” 4’00” 3’58” 3’46” 19’32” 22’33” -3’01” 20’24” -0’52”
3 望月 3’45” 4’03” 4’00” 4’07” 4’04” 19’59” 20’50” -0’41” 19’45” +0’14”
4 頼光 3’53” 4’12” 4’21” 4’21” 4″08″ 20’55” 24’21” -3’26” 21’18” -0’23”
5 川野 4’01” 4’20” 4’27” 4’29” 4’03” 21’20” 23’37” -2’17” 22’24” -1’04”
6 白井 3’55” 4’07” 4’30” 4’33” 4’08” 21’23” 22’33” -1’10” 22’25” -1’02”
7 前田 3’54” 4’14” 4’40” 4’51” 4’26” 22’05” 26’18” -4’13” 21’30” +0’35”
8 吉田(汰) 4’02” 4’42” 4’55” 5’01” 4’26” 23’06” 21’59” +1’07” 21’59” +1’07”
9 伊藤 4’33” 6’11” 6’10” 5’46” 20’19”
参考タイム 1 2 3 4 5
OB 増田さん 3’43” 3’43” 3’39” 3’49” 3’37” 18’41”
遊佐コーチ 3’54” 4’08” 4’19” 4’23” 4’24” 21’18”

 

女子 出走14:00
順位 氏名 1 2 3 前回比 ベスト比
1 五十嵐 4’25” 4’39” 4’31” 13’35” 14’56” -1’21” 13’53” -0’18”
2 市川 4’26’ 4’49” 4’35” 13’51” 15’56” -2’05” 14’20” -0’29”
3 平岡 4’41” 5’00” 4’49” 14’30” 16’37” -2’07” 16’37” -2’07”
4 海老根 4’31” 5’15” 4’59” 14’45” 16’52” -2’07” 15’21” -0’36”
5 間瀬 4’43” 5’29” 5’05 15’17” 15’43” -0’26”
6 瀬川 4’50” 5’29” 5’13” 15’32” 15’08” ;+0’24”

一般・アルペン班トレチとして / 一般・アルペン班3年 望月 史

 今年のアルペン班は非常に人数に恵まれた。
経験者も多く入りインカレでの枠争いは熾烈な戦いとなるだろう。陸トレにおいても4月とは比べ物にならないくらい成長した人もいる。

 ただどうしても陸トレに対しモチベーションが上がらず辛い部活というものを過ごしている部員もいる。自分も1年生の時からスキーをすることにモチベーションを保ってきた。やはり1年生にとってはこの陸トレの期間とは3年生である自分が思っているものよりはるかに永く感じるものなのかもしれない。

 自分がアルペン班に求めたいものは自分がアルペンスキーをしているプライドである。
それは“自分はアルペン班だからノルディック班のような練習はできない”というプライドではない。冬に100%、アルペンスキーをするために“がむしゃらにオフ期間を乗り越えてやる”というプライドだ。
 冬を目前に部員には陸トレに関して未練を残したままにはしてほしくない。自分としても、トレチとしてここまで粘り苦しんできた半年間の上に積み上げられた意地とプライドがある。

 夏、辛いオフトレに挫折して冬前にギブアップするなどスキー部としてはただの笑いものでしかない。自分が何のためにこの部活に在籍し、何のために誰も望みもしないようなつらく厳しい練習を日々こなしているのか。自分の場合その答えは冬にスキーをするためだ。冬スキーをするためならどんなつらい夏でも喜んですごしてやる。というような強い貪欲さ、精神を1年生はじめ、部員には今一度持ってもらいたい。

 冬までもう1か月半とない。あと残された期間で自分ができることは何なのか、冬スキー場に立ってから後悔しないように全力で今できることをしていこう。

2年目のトレーニングチーフ / ノルディック班4年 赤司 凌

 3月、肌寒い曇り空の中行われた幹部交代式。
「ノルディック班トレーニングチーフ 赤司凌」
この言葉を聞いたとき、昨年度の出来事が一瞬にして頭の中に浮かんだ。

 初めてトレーニングチーフに任命され、自分がこのノルディック班を引っ張っていくんだと胸を高鳴らせていたものの、チームメイトを良い結果に導くこともできず、挙句には自身すら部の足を引っ張るような結果の連続だった。
冬の最終目標として掲げていた「2部残留」は果たしたが、ただ運がよく残留させてもらえたようなものだ。

 誰から見ても、昨年度は成功の年とは言えない。今まで先輩たちが築き上げてきたスキー部を自分の手で壊してしまったような気がした。
二度とこんな思いはしたくない。

 2年目のトレーニングチーフ、再びチャンスをもらった。
今、試行錯誤しながら、3年生を主体に、部を運営している。
そのなかで、トレーニングチーフとは何か、何ができるのか、昨年度より一層考えるようになった。

「常にトップに立ち、チームを鼓舞する。」
これが私の思うトレーニングチーフの形である。
みんなよりただ少しだけ足が速いだけの私にできることは、結果でみんなを引っ張ることしかできない。それしかできないからこそ、そこでは負けてはいけない。必ずトップとしてチームの底上げをしてみせる。4年生トレーニングチーフの意地として、4年間の集大成として。

 私のスキー部人生も残り半年となった。
やれることをやりきり、後悔のない終わりを迎えたい。
引退まで全力で突っ走る。

在るべき姿を意識して / ノルディック班3年 五十嵐 有冴

 あのキャベツ畑の匂い、滴る汗、飛び交う掛け声…

 あぁ今年もこの時期がやってきたと記憶を呼び覚ましながら、私は未だかつてないプレッシャーに苛まれていた。
 今までは自分の限界値を越える事に全精力を傾注していたが、今年はそれに女子トップとしての義務が加わったからである。
3年の前期を終えて思うのは「井の中の蛙」という言葉がまさに今の私に相応しいということだ。他大学や過去の先輩のリザルトをみるたびに感じる。

 しかし、なかなか見えない目標を追うのは難しいということを身を持って体験した。
 私は今回の16kmタイムレースで、私が1年生の時に1番速かった4年生の先輩の記録に17秒届かなかった。

 追うのが、ただ左手に表示された刻々と進む小さな数字ではなく、先輩の背中だったとすればもしかしたら結果は変わっていたかもしれない。そう思うと、まずは後輩達にとって私が見える目標となるしかないと思うわけである。勿論、それはただの通過点という位置付けではあるが、自身がもっと強くならなければこの部の女子プレイヤーも強くならないということは必然的に感じる。

 まだ正直、後輩達を引っ張っていく上でなにが正解か全くわかっていないのかもしれない。落ちた後輩がいればもっと引っ張ってあげなければと思い、ついてきてくれれば嬉しい反面、負荷が足りなかったのではないかと不安になる。
 息が切れた中で、疲れたねと共感すれば良いのか、辛さなど一切見せない方が良いのかそんな些細な感情の出し方でさえ迷っている時もある。こんな未熟な私でも、ついて来れば大丈夫だと成功の道しるべとなってあげなければ、まだ彼女達は道無き道を自分で切り開くことまでは出来ないであろう。

 話は変わるが、今回の合宿で嬉しかったことが一つある。
 4日目午前に行われた中距離ペース走だ。こんなの中ペじゃないといわれた一昨年、もうやる意味がないと打ち切られた昨年。これが女子の評価だった。
 ただただ悔しかったあの感情は今でも忘れない。そして私がトップの時は絶対こんな思いはしたくないと思った。 だから今回皆で一斉ゴールはできなかったものの、棄権もなく最後までこなせたことは誇りに思う。

 このように少しでも強くなり、皆でお互いを高め合える女子プレイヤーになりたい。それぞれの努力の仕方、結果の出し方を見つけ皆で切磋琢磨していければ良いと思う。
 
私達の目指すところはまだ先だ。

夏合宿を超えた先にあるもの / 一般・アルペン班1年 川野 浩太郎

 入部以前からブログやHPを見ていたことから、夏合宿が過酷なことや20㎞タイムレースがあることは知っており、そんな距離を走ったことが無い自分は、入部以降トレーニングを始めても20㎞という距離を走れる気がしないまま合宿の前日を迎え、荷造りをしていました。また、荷造りの最中には明日からの5日間に対して、まだ見ぬ怖さと、怖いもの見たさの2つの感情が混ざっていたのも事実です。

 いざ夏合宿が始まり、菅平につき最初のトレーニングである20㎞以上のLSDではすぐにこれからの合宿がどれほど辛いものなのかを思い知らされました。
 次の日からのトレーニングでは同じ1年にタイムで負け、先輩方のペースについていけず、遅れてしまうメニューもあり、毎日悔しい思いをしました。
 しかし毎日のメニューを全力でこなし、自分の限界に挑んだ先には悔しさとともに小さな達成感がありました。

 今までの生活のなかでここまで自分の身体・精神と向き合い限界まで追い込む体験をしたのは初めてであったために、この経験は必ず冬に良い影響を与えてくれるという自信が生まれました。
 しかし、この経験を冬に生かすも殺すもこれから始まる後期のトレーニングに挑む自分の姿勢次第だと考えています。

 後期になり、冬が近づくにつれ、モチベーションが上がるのが当然だと思いますが、気持ちだけではなく冬に戦える身体作りを最優先にしなければならないので、この夏経験したこと全てを後期からのトレーニング、また、その先にある冬に向けての糧にしなければならないと考えています。

さあガンバ! / 一般・アルペン班1年 吉田 圭佑

 「お前らは個人でやっているんじゃない、チームとして走っているんだ」
今年の夏合宿中、コーチや監督はそうおっしゃっていました。互いに煽りあい、刺激しあい、ついていけなくなりそうな者を励まし、ゴールを目指せ、と。

 陸上トレーニングは基本的には「自分」との戦いであることは確かです。しかし、インターバル走や中距離ペース走など部員が一つの隊列を組んでの練習は仲間の力がとても重要になってくるということをこの夏合宿で改めて痛感しました。落ちそうになった時に檄を飛ばしてもらったり、前を走る先輩の背中を見ながら走ることでペースを保てたり…
 もし夏合宿の練習を一人で行っていれば、きっと私は途中で心が折れ、リタイアしてしまっていたことでしょう。仲間である部員が私にもたらしてくれた力はその時自分が感じたよりもずっと大きかったのです。

 スキー部には走っているときに声を出して盛り上げながら練習することが多いです。正直、入部したての頃はこの風潮が嫌いでした。声を出すと当然心肺に負担がかかりますし、自分の呼吸のリズムも乱されてしまいます。ただでさえ辛い練習をさらに辛くするものとしかとらえていなかったのです。

 しかし今ならそのことの意味がよくわかります。
声をだして励ましあうことは部員の士気を高めることにつながります。勿論、自分も例外ではありません。けいすけガンバ!さあガンバ!の声を聞けばやる気も自然と高まります。ゴールを目指す活力が湧いてきます。夏合宿を生き抜く大きな力になります。

 励ましはつらい時に最高の力の源になる。そのことを改めて感じた5日間でした。仲間の存在に感謝しつつこれからも頑張っていきたいと思います。

夏合宿5日目午前/タイムレース

9/4(日) 天気:晴れ
<男子>   欠席:安藤、吉田(汰)
順位 名前 1(6.74Km) 2(6.74Km) 3(6.74Km) 合計(20.22Km)
1位 赤司 28’27” 29’00” 29’19” 1;26’46”
2位 望月 29’15” 30’40” 30’08” 1:30’03”
3位 足立 31’26” 34’01” 33’28” 1:38’55”
4位 前田 36’48” 37’11” 36’08” 1:50’27”
5位 吉田(佑) 36’56” 37’23” 36’09” 1:50’28”
6位 川野 37’16” 40’27” 38’59” 1:56’42”
7位 頼光 38’13” 39’23” 43’59” 2:01’35”
DF 山本 39’50” 42’40”
DF 白井 41’18”
DF 伊藤 リタイア
DF 藤後 リタイア
<女子>   欠席:瀬川、間瀬
順位 1(6.28Km) 2(6.28Km) 3(3.91Km) 合計(16.47Km)
1位 五十嵐 35’54” 36’03” 21’47” 1:33’44”
2位 海老根 38’46” 39’02” 25’22” 1:43’10”
3位 平岡 40’27” 40’21” 22’41” 1:43’29”
4位 市川 41’19” 41’56” 27’09” 1:50’24”

*男子1周目40分、2周目80分、3周目120分で足切り

*女子1周目50分、2周目100分、3周目120分で足切り