生涯スキーヤー宣言 / 一般・アルペン班4年 吉田 圭佑

 それは、想像より遥かに長い間猛威を振るい続けた。もう嫌という程耳にしたその名。新型コロナウイルスである。

    その名前がニュースで聞かれはじめたのは昨年のインカレの時分であった。まさかその次の年のインカレが中止に追い込まれるとは、誰も想像しなかったであろう。我々4年生はスキー人生の集大成を発揮する場を失われることとなった。

    また、個人的な話で恐縮であるが、その影響は僕の卒業後の進路にも大きく影響を及ぼすこととなり、僕は昨年10月に卒業後の進路の変更を決意。それは最後のシーズンを完全に棒に振ることを意味した。

    このように我々の代のスキー部の活動は望まない形での終焉となった。とはいっても、この4年間は長いスキーヤー人生のごく一部にすぎない。卒業後もスキーをプレーする機会を作ることはできる、ということは様々な先輩方を見ていて感じるところである。

    スキーは生涯スポーツであるとよく言われるが、卒業した後も自分の好きなスポーツを続けられるということはとても幸せであると思う。自分が在学中に出会った、社会人として活動しながらスキーをプレーする人々は皆充実した人生を送っていたように思えた。

    僕の競技人生はこのような不本意な形で終わることとなってしまったが、 スキーヤーとしてはまだまだこれからである。スキー部で培った技術、スキーができる環境、そして何よりもかけがえのない同期や内外の先輩方との人脈を大切にこれからのスキーヤー人生を生きていきたい。

スキー部を振り返って / ノルディック班4年 足立 昇平


 振り返ってみれば4年前、私はアルペンスキーとバスケットボールができるということで他の部活動やサークルに迷っているなか、最終的にスキー部に入部した。それは数ヶ月後に入部目的の2つは果たされなくなってしまったが、今ではとても懐かしく感じる。

 1年生のシーズン最後には、そんなアルペンをやりたいという気持ちを汲み取ってか、アルペンスキーの練習と大会に出場できるように誘って、手配してくれた同期と先輩方に感謝したい。正直とても楽しむことができた。

 そしてノルディックスキーという競技に出会えたことも感謝したい。正直やるつもりは全くなかったが、この競技に出会えたことで面白い世界に出会うこともでき、今まで聞いたこともない場所に行くこともできた。またスキージャンプという貴重な経験もわずかではあるが、できたことも感謝したい。

 しかしプレイヤーとして、この4年間で満足のいく結果はひとつとして残すことができなかった。これは思い描いていたものではなく、非常に悔しいし心残りで、もっと違う結果を残せれば良かった。だが残念ながらもう遅い。段階的に目標達成はできたものの、最終的な目標を達成出来なかったことは猛省しなければならないと思う。この経験を振り返って価値のあるものとするために、今までの行いを振り返って、今後に活きることを見つけていきたい。

「アイラブユー」の最大公約数 / 一般・アルペン班4年 間瀬 麻日

 『新歓期間最終日。春風に吹かれて桜の花びらが舞い散る中、高鳴る胸の鼓動を落ち着 かせて、スキー部の部室の扉をノックしたことをつい先日のことのように思い出します。』

 そう4年前に活動報告に書いたのがつい昨日のようだ。長かったようで短かった、スキーと共に過ごした4年間だった。いざ最後に書く活動報告を考えると何を書いたらいいかわからなかった。スキー部の日々を思い返せば楽しいことも辛いことも沢山あるなと改めて思う。

 楽しいだけではなくてよかった、と思うのは自分だけだろうか。以前、あるスキー関係者と お話ししていた時に「1人でスタート台に立つあのなんとも言えない緊張感と孤独を味わうのはスキー競技の隠れたいいところだと思う」というのを聞いた。たしかに眼前に広がる赤と青の旗や景色を目の前に抑揚のない機械音と共に滑り出す感覚は筆舌に尽くし難い。 私たちは何本スタートを切ってきただろう。タイムレースも大会も、それぞれに思い出がある。もちろん人生の節目にも使われるこの言葉は大学生活のスタートを切る新入生たちも新社会人としてスタートを切る同期たちも同じように孤独と緊張感に溢れているのだろう。

 「アイラブユー」の最大公約数は感謝だ。

 感謝のない愛は愛ではない。

 私の4年間は愛に溢れていた。 辛い時も楽しい時も一緒に過ごした大好きな仲間たち、支えてくださったOBOGの先輩方、 頼りない私と一緒に頑張ってくれた可愛い後輩たち。

 全ての人へ愛と感謝を込めて。

繋げる春 / ノルディック班2年 石毛 美桜

 昨年度は、制限された状況下でも、2020-21シーズンの冬に向けできる限りのトレーニングを行ってきた。後輩を指導するうちに自分も改善すべき点が見つかったり、後輩の言葉から気づくことがあったりと、身体共に成長できた年であった。

 競技面では、ローラー練習の際に一本の板に乗れる時間が格段に長くなるなど、去年からの成長を実感できており、早く雪上に立って今年の自分の滑りを確認したい、雪上で新たな改善点を見つけてより早く、美しく滑れるよう試行錯誤したい。という気持ちでいっぱいだった。去年の冬合宿においては同期の後埜上が急激に成長するのを横目に、練習してもなかなか感覚を掴み切れず、クロカンは本当に楽しいのかと疑問に思うまでに至っていた私だが、今年に関しては部員の誰よりも冬を楽しみにしていたといっても過言ではない。

 しかし、シーズンイン直前の11月末に左足を負傷。日頃のケア不足の積み重ねが原因だった。1か月の絶対安静を言い渡されたときは絶望すら感じた。自分の身体の異変に気づかないまま怪我をするというのは、競技者としてあってはならないことだと思った。そんな時、OBの方から「負傷していてもできることは沢山ある、身体共に更に強くなれるチャンスと捉えよう。」と励ましの言葉をかけていただいた。この言葉が、私を再出発へ導く契機となった。

 復帰後の自分の滑りは、去年と比較してもかなり改善されていた。一部校選手には程遠い滑りだが、板の真上に乗る感覚がかなり掴めてきた。「板までが自分の脚だと思って滑る。」というアドバイスをいただいたことがあるが、その意味もやっと分かった気がした。しかし、改善されたとはいえ、まだまだ、バランスを保ちきれない、平地や下りから平地へのつなぎで加速しきれないなどの課題が山積みである。今シーズンは制限された状況下ではあるが、まだシーズンは終わっていない。状況を言い訳とせず、できる範囲で行動していきたい。

イ ンカレで4年生が活躍される姿を見られないまま、2月が終わろうとしている。去年からお世話になっている先輩方の勇姿を見届けなかったことが大変悔やまれるが、この春から新たに仲間となる新しい1年生に、先輩方の背中から学んだことを繋いでいきたいと思う。それが、気づけばもう3年になろうとしている私がすべきことだ。

インカレに向けて / 一般・アルペン班4年 川野 浩太郎


 本来であればこの時期の活動報告は表題の通り、「インカレに向けて」熱い思い書くものになるはずであったが、今年はそれが出来ない。

 競技を始めて10年目であり、ラストイヤーである今年に最大の目標であったインカレが目の前から無くなってしまった悔しさは計り知れず、公式発表が出てから数日は全てに対し、集中力がない中、ただひたすらにトレーニングを行っていた。

 誰のせいでもないコロナの影響でこのようなことになってしまったことに、運が悪かったと簡単に片づける人も居るが、このまま学習院大学スキー部として活動が出来ないまま、引退となってしまうことが何よりも悔しい。

 この4年間でスキーのレベルだけではなく、人としても成長することが出来たと実感している。その積み上げてきたものを感謝の気持ちとともに、インカレでぶつけ、部員26名と最後笑い合って引退出来れば、今までの苦労も報われると思っていたが、今はただ死に場所を求めさまよっている状態だ。

 望む引退の形が出来ないなか学生でいられる時間も残りわずかになってしまった。大学生活の4年間は本当に全て、スキー部に捧げたと自負できる。アルペンスキーヤーとして、またスキー部の部員として、これまで出会ってきた人々や経験は一生の宝であり、それさえあれば引退の形がどんなものであれ、自分は幸せ者だとも思う。

 悔しさと感謝が入り混じる4年の冬だが、後輩達がまた来年度以降、「インカレに向けて」熱く努力する姿勢をOBとして温かく見守りたいと思う。

    

冬を迎えて / ノルディック班2年 伊藤 慧

 2020-21シーズンの冬を迎えて、ちょうどシーズンの前半戦が終わった1月である。シーズンの前半が終わって思うことは、今シーズンの4月から12月を振りかえって、冬の合宿、試合に向けた準備を怠ってしまったことである。

 2020年は新型コロナウイルスの影響で、学生チャンピオンスキー大会の2ヶ月前の10月まで部全体での活動が学校側に認められることはなかった。そのため4月から10月までの半年の間は、個人での自主トレーニングが中心であったが、スキー部で朝早く起きて、 学校内でトレーニングをする昨年とは違い、トレーニングチーフの行ったメニューを消化するのではなく、自分でトレーニングメニューを考えなければならず、物事を計画だって進めることが苦手な私にとって、目的や計画性のない半年間を過ごし てしまった。

 今まで気づいていなかったが、いかに自分が部活動に対して、トレーニングに対して受動的であったかを痛感した。その結果が、12月の学生チャンピオンスキー大会でクラシカル最下位という不甲斐ない滑りになってしまったのだと思う。

 2021年の1月現在、日本政府から緊急事態宣言が再発令され、大学側も再び、 対面での課外活動の中止を要請してるなかで、今シーズンのインカレが実際に開催され、出場できるのか大変不安な状態であるが、何が起こっても動揺せずに、来シーズンも見据えた準備をしなければならないと思いながら今日を過ごしている。

冬を迎えて / 一般・アルペン班2年 佐々木 崚也  

 あっという間にオフトレーニングの夏が終わり、山に籠る季節がやってきた。

 自分は昨シーズンのインカレで膝を怪我してしまい、手術をすることになってしまった。リハビリは自分が思っていた以上に長引いてしまい、満足のいくトレーニングができなかった。

 しかし、このようなオフシーズンを経て感じたことがある。それは、できる動きが制限されている中でどれだけ自分を追い込めるか、どれだけスキーのことを考えられるかが大切だということだ。とても苦しいオフシーズンだったが、今シーズン初のゲート練習でコーチからお褒めの言葉を頂けたときは自分のオフシーズンのトレーニングは間違っていなかったと思えてとても嬉しかった。まだ膝は完治とは言い難い状態ではあるが、痛みもだいぶ引いてきたので、オフシーズンで感じた葛藤を全て冬にぶつけていきたい。

 そして、久しぶりの部員との練習で仲間の大切さを痛感することができた。同期である髙橋はとても刺激をもらえるライバルであり、彼のような存在が身近にいて、お互いに研鑽できる環境にとても感謝したい。しかし、今年は髙橋に圧勝できるような実力をつけたいと思っている。

 さて、自分の今年の目標はインカレに大回転、回転の両種目に出場して得意種目の大回転で10ポイント取得することである。インカレでポイントをとるためにはまず、部内での競争に勝つ必要がある。ライバルの髙橋と共に両種目出場できるようにお互いに高めあい部内でのタイムレースに圧勝したい。

思うこと / ノルディック班4年 足立 昇平

 今回この活動報告を書くにあたり、なかなか書くことが浮かばない。
なので、浮かんだことをだらだらと書いていこうと思う。

 まず今年は皆さんご存知のように世界が完全に変わってしまった。働く環境、人の生活や意識は強制的に変化を強いられた。それは学校も同様で、今まであったのに使われてこなかったサービスが使われ、対面授業もまだごく一部しか再開していない。本当に学内は閑散としている。しかしこのような状況の中で、1年生が8名も入ってくれたことに感謝したい。またイレギュラーな新歓活動を特に頑張ってくれた2年生にも感謝したい。来年以降もおそらく制約がある中での活動になるのだろうが、ぜひ頑張ってもらいたい。

 そして気付けばもう大学生、いや学生でいるのは数ヶ月しか残っていない。なんだかあっという間な気がして、とても寂しい。しかし人生100年時代と言われている今、まだ人生は約1/5が終わったところである。これからどんな人生を過ごしていくのか、楽しみな一方で一抹の不安も感じている。今回の騒動を受けて、素早い適応力や考え抜かれてかつ迅速な対応や行動が大事だなと感じた。

 さてこれを書いている今日はノルディック班の一部が合宿を開始した。そして私は最後の冬を迎える。毎年12月は心理学の授業やら実験やらで合宿入りが遅くなり、本来多くの練習を積むべき月に練習が積めない状況が続いている。そして今年もそうなってしまった。というか卒業論文でそうならざるを得なかった。心理学科とスキー部の相性は本当に良くないと思っている。

 ただこれから社会人になるにあたり、環境を言い訳にしたくない。自分にとって良い環境を自ら切り拓いて、創っていきたい。