昨年度は、制限された状況下でも、2020-21シーズンの冬に向けできる限りのトレーニングを行ってきた。後輩を指導するうちに自分も改善すべき点が見つかったり、後輩の言葉から気づくことがあったりと、身体共に成長できた年であった。
競技面では、ローラー練習の際に一本の板に乗れる時間が格段に長くなるなど、去年からの成長を実感できており、早く雪上に立って今年の自分の滑りを確認したい、雪上で新たな改善点を見つけてより早く、美しく滑れるよう試行錯誤したい。という気持ちでいっぱいだった。去年の冬合宿においては同期の後埜上が急激に成長するのを横目に、練習してもなかなか感覚を掴み切れず、クロカンは本当に楽しいのかと疑問に思うまでに至っていた私だが、今年に関しては部員の誰よりも冬を楽しみにしていたといっても過言ではない。
しかし、シーズンイン直前の11月末に左足を負傷。日頃のケア不足の積み重ねが原因だった。1か月の絶対安静を言い渡されたときは絶望すら感じた。自分の身体の異変に気づかないまま怪我をするというのは、競技者としてあってはならないことだと思った。そんな時、OBの方から「負傷していてもできることは沢山ある、身体共に更に強くなれるチャンスと捉えよう。」と励ましの言葉をかけていただいた。この言葉が、私を再出発へ導く契機となった。
復帰後の自分の滑りは、去年と比較してもかなり改善されていた。一部校選手には程遠い滑りだが、板の真上に乗る感覚がかなり掴めてきた。「板までが自分の脚だと思って滑る。」というアドバイスをいただいたことがあるが、その意味もやっと分かった気がした。しかし、改善されたとはいえ、まだまだ、バランスを保ちきれない、平地や下りから平地へのつなぎで加速しきれないなどの課題が山積みである。今シーズンは制限された状況下ではあるが、まだシーズンは終わっていない。状況を言い訳とせず、できる範囲で行動していきたい。
イ ンカレで4年生が活躍される姿を見られないまま、2月が終わろうとしている。去年からお世話になっている先輩方の勇姿を見届けなかったことが大変悔やまれるが、この春から新たに仲間となる新しい1年生に、先輩方の背中から学んだことを繋いでいきたいと思う。それが、気づけばもう3年になろうとしている私がすべきことだ。