失敗と後悔と成長 / 一般・アルペン班1年 武田 杏樹

2月中旬になり、だんだんと近づいてくるインカレに不安になっている自分がいた。初めてのインカレであるため、インカレがどのような雰囲気なのか、どんな斜面なのか、どのように滑れば良いのか何も分からない。毎日の練習が終わると、YouTubeにアップされている鹿角の斜面とにらめっこする日々を送っていた。先輩方から聞く話では、鹿角の斜面はとても急で、完走できない人が多いという。そんな斜面を、アルペンを始めてたった2か月の私が滑り切ることができるのだろうかという不安と、始めたばかりで右も左も分からないからこそがむしゃらに滑り切ってやるというやる気が頭の中をぐるぐるとめぐっていた。

鹿角の斜面を始めて滑ったのは、GSのレースの前日のコースオープンであった。コースオープンで次の日のGSのイメージトレーニングをしようと思っていたが、自分の感覚より遥かに速いスピードが出たり、S字カーブで曲がり切れなかったりと、正直なところ鹿角の斜面に圧倒されてしまった。

今回のインカレでの私の目標はGS・SL共に完走することであった。もちろん30位以内に入ってポイントを取るということを目標にしなければならないのだろうが、初めてのインカレ、そして急斜面に怖気づいていた私は、とにかく完走して、欲を言えばポイントが取れたらいいなと考えていた。

GSでは、結果は27位で4ポイント獲得できた。1年生の内にポイントが取れると思っていなかった私は2本目を完走したときとても嬉しかったし、楽しかった。

しかし、その時は嬉しくても宿に帰れば色々と考えてしまう。完走することばかり考えて守りに入りすぎる滑りをしてしまったという思いが、時間が経つほど私の中で大きくなった。この思いはきっとインカレでしか晴らせないだろう。1年後、2年生のインカレでは今年よりも攻めた、後悔のない滑りをしようと思う。

SLの結果は34位で、ポイントを取ることができなかった。1本目を滑った時点で32位、さらに30位との差が大きかったため、2本目は自分のできる攻めた滑りをしようと思っていたが、最後にスイッチバックして結果は自分の中で納得のいくものではなかった。SLに関しては練習の時からある苦手意識を払拭することが最もやらなければいけないことである。今シーズンの残りの練習でもSLの苦手意識を無くし、好きになれるよう励みたい。

インカレを通して多くのことを学んだ。滑りについてはもちろん、大会でのメンタル面においても、他の選手を見て学ぶことが多かった。今回のインカレで学んだことを来シーズンにつなげ、次のインカレでは自分で納得のいく内容のレースができるように準備したい。