足りないもの

ノルディック班2年 塙 真紀
 初めてのシーズンを終えて、二年目の夏。二年目は伸びるよと言う人が多いし、慣れて余裕も出てくる年にも関わらず、全く結果が出ていない。むしろ後退したのは5月のタイムレースで思い知った。

 私に足りないのは体力よりもむしろメンタルの方で、それは、辛くなったときにまだ走れるという心でもあるし、もっとうまく速くなりたいという気持ち、そして誰かに勝ちたいという強い気持ちでもある。
 一冬超えたにも関わらず、この気持ちは一年生のときより持てなくなっていたと思う。一年前は、いい意味で限界を知らず我武者羅だった。二年になって、前期最後のタイムレースを走ることが出来なくて悔しくなかったわけではない。でも、怪我をして走れない時期が続いたことを理由にして上を目指すということを忘れてしまっていた。自分の中で勝手に満足して、ライバルのことは二の次だった。

 
 昨年の2月に行われたインカレでの10kmフリー。前を滑っていた他大の選手をどうしても抜かしたくて、必死だったのを覚えている。得意の上りで追いつき苦手な下りで離されを繰りかえした。あの時の私は、タイムがどうとか足が痛いとか感じないほど、ただ「あの選手に勝ちたい」という気持ちだけで走っていた。最後の1kmで追い抜くことが出来たときの興奮は忘れることが出来ない。

 
 だから、あのときの気持ちをもう一度思い出して、怪我を理由にしていた甘い自分は捨て初心に戻りたいと思う。競技をやっている以上夏でも冬でも、誰かに負けたとか誰かに勝ったとか、そういうことで一喜一憂したい。

 そのために、部員と切磋琢磨しながら上を目指していきたいと思う。そして、長い陸トレで培った精神を本番である冬に生かしたい。

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