選手として。 / 一般・アルペン班1年 内田 孝太郎

スキー部に所属している選手として最も大事な大会、最も目標とすべき大会それがインカレである。実際多くの選手がそうであろう。その大会は団体対抗戦という部として出場するという点が普段のB級レースなどのポイントレース、草大会とは大きく異なっている。

しかし、私自身、団体対抗戦のことなど全く気にせず、ただただ自分の滑りをしようということしか頭になく正直、ポイントをとって宿に帰ることなど一ミリも頭になかった。

結果としてだけ見るとG Sは21位、S Lは29位となった。内容としては以前から苦手だったGSとしては悪くない出来で、S Lは1本目にスイッチバックをしてタイムを大幅に落としてしまうというものだった。S Lに関しては自分が得意としている種目というのもあってかなり悔しい結果となった。

今回、インカレで周りの先輩方を見ているとポイント獲得にために守って完走を狙っていた人もいた。それもまた選手として、部員として正解の選択肢の一つだとは思う。しかし自分は来年以降もインカレに出場できる限り、その選択肢は取らず、自分の滑りを出すことだけを考え続けるつもりだ。もしかしたらこれは部員としては正解の中に含まれていない選択肢かも知れない。しかし、競技スキーをしている選手としての立場であればこれは正解であると確信している。

また今シーズンは人との繋がりの大切さ、繋がることの楽しさを再認識したシーズンでもあるだろう。同じチームで練習して仲を深めた他校の同期、先輩方から学べるものを学べるだけ吸収し続けて強く、速く、上手くなりたいと感じた。

尽きぬ探究心 / ノルディック班4年 石毛 美桜

 スキーは奥深い。クロスカントリースキーのタイム短縮には、実に多くの要素が絡んでいる。技術、道具、体力、精神力、雪質に合わせた滑り方、レース中のペース配分、試合までのコンディション・練習量調整…列挙すればキリがない。クロスカントリースキーの走法も知らなかった入部当初と比較し、技術が上達するのと反比例して悩みは増える一方だ。だが、それもクロスカントリースキーの楽しさの一つではないだろうか。

 中高6年間茶道部に所属し、体育会の世界を知らなかった私にはスキーがこんなにも頭脳を必要とするスポーツだとは想像もつかなかった。一部校選手と自分の滑りは何が違うのか、二部のライバル達と比較した際の自分の武器は何なのか…考えて自分なりの答えを出し、トライしてみる。結果が出なければ都度修正し、より自分の強みを活かせる走法を追求する。これが楽しい。

 元々負けず嫌いな私の性格ゆえに、下級生の頃は謎の対抗心があり同期の後埜上や伊藤にフォームの相談をすることは少なかった。合宿生活において日々強い探究心を持ち努力し続ける同期の姿を見るうちに、同期はライバルでありつつも共に闘う仲間であり、インカレでは共に昇格を目指す仲間だという意識が強まっていった。いつしか同期だけでなく後輩にも素直に相談し、効率よく相互に高めあうことが出来るようになっていた。

 気づけば最後のインカレが一カ月後に迫っている。二部の経験者達を抜いて表彰台に立ち、女子一部リーグ昇格に貢献する。その為に、最後の最後まで自分なりの探究心を持ち続け、もがき楽しむつもりだ。

冬に向けて / 一般・アルペン班4年 佐々木 崚也

 先日のタイムレースで陸上トレーニングが終了した。
コロナ禍で満足のいく部活動ができなかった時期はあったが、スキー部として無事に一つの節目を迎えることができた。

 冬に向けて今までのトレーニングを振り返ってみたところ今シーズンは過去最高のコンディションで冬を迎えられそうだ。シーズン直前となると毎年のようにあれをしとけばよかった、もう少し頑張れたのではないかと悔いが残っていた。しかし、競技人生最後のシーズンでようやく満足のいく練習ができたのではないか。

 よい練習ができるようになった理由の一つに自分が最上級生になったことがあげられる。

 自分が一年生の時は寝坊で練習に遅刻したり、欠席したりして同期には迷惑をかけまくっていた。しかし、今年は就職活動の際も面接前に30分でも練習に参加したり、MAX測定でも他の部員より結果を残したりと同期にも認めてもらえて1年生にも先輩として少しはかっこつけられたと思う。

 とはいいつつも、先輩や同期、後輩やOB、OG、監督、コーチの方々のお世話になりっぱなしだ。特に、同期は練習中一番声をかけてもらったり、朝遅れない方法を一緒に考えてもらったりと同期のおかげで部活動を続けることができている。

 同期と最高のインカレとなるように残りの期間を全力で過ごしたい。また、鹿角は一年次で怪我をしたスキー場であり。三年次では入賞手前までの成績を残せたスキー場であり、思い入れのある場所だ。

 幸いなことに、今年はノルディックの選手、ジャンプの選手、アルペンの選手が揃っており、昇格の可能性が高い年だ。私含めて、全員が全力で挑みたい。

シーズンイン / 一般・アルペン班2年 小菅 耕大

 トレーニングチーフとしての陸上トレーニングが終了した。今年のオフトレを振り返ってみると4月に考えていた前期はとにかく走って筋トレをして体力を向上させる練習を行い、後期はイメトレやさらに大会を意識した1分以内のダッシュなど、より競技特性に特化した練習をするという計画を順調にこなせたと考えている。

 特に前期から後期を通して一般・アルペン班で行っていたウェイトトレーニングでは継続的にトレーニングをしていた部員は使用重量が増えていて、自分も11月初めに行ったイエティでの雪上トレーニングでは先シーズンまで一本滑ると足にかなり乳酸が溜まっていたが今年は全くそのような兆候がなく、今までのシーズンインよりもすんなりとできたと思う。イエティでさえ乳酸を感じていたら今年のインカレ開催地である鹿角の急斜面を満足に滑ることができるわけがない。シーズンに入っても使用重量が落ちないように最低でも現状維持をできるように指導していく。

 先シーズンから大きく練習内容を変更したが、これがどのようにゲート練習をした時にタイムに繋がるのかが楽しみである。また、これからさらに雪上練習が増えていくが個人としても班全体としても少ない練習日を無駄にしないようにインカレに向けて成長できるよう一本一本、目的意識をもち滑っていきたいと思う。

秋から冬へ / ノルディック班3年 須藤 恭佑

 今シーズンのこれまでを振り返ると、自分の思った以上にチーム全体がいいトレーニングを重ねることができ、着実に部員の能力を伸ばすことに繋げられていると感じられる。

 春と秋で比較したスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目のマックス測定やタイムレースの結果を見てみると、数字の伸びが表れているのが確認できた。春休みに決めたことを前期からぶれずに継続し、後期から班ごとに専門的な内容に取り組んでいくという流れは、今のところ計画通りであるが、中には少し見直さなければならないところもある。

 例えば、個人の課題に着目するということである。部員の1人1人が皆同じ課題を抱えているわけではなく、体力や筋力、ノルディック班でいえばローラーに乗る上での力の使い方など、それぞれが苦手としている分野があり、克服する過程も異なっている。そこで前期と同じ基礎体力中心の練習ではなく、後期はトレチとして部員それぞれの異なる課題を改善すること中心に進めている。これから始まるローラー合宿を経て、冬への意識を高めながら、全員が活躍するためにこれまで以上に個々の能力を上げることに努めていきたい。

 また1人1人が自分の足りない部分を改善していくことが、その人の成果に繋がり、結果としてチーム全体が成果を上げられるようになる。目標が先行しすぎて中身が伴っていないというのではなく、目標を設定してそのための具体的な行動をする、というのが大切であるため、トレチとして部員に寄り添って残り一か月で準備をしていきたい。

これまでとこれから / マネージャー班3年 市ノ川 千晴


 3年生になってからこれまでの7ヶ月間を振り返ると、いい意味でも悪い意味でも自分は変わったと思う。

「自覚と責任」

 今年はこの言葉を掲げ、大学3年生のスキー部をスタートした。

 3年生になって大きく変わったことはたくさんあった。初めて学内で練習ができるようになり、上級生として部を引っ張っていく立場を経験した。そして初めてマネージャーの後輩もできた。

 私を取り巻く環境にたくさんの変化があったが、自分はその中でどう変われたのだろうか。3年生として、先輩として、そして上級生として「自覚」思って行動できたのか。マネージャーや会計という仕事に「責任」をもって取り組めたのか。

 いい意味では部を客観的に見ることができるようになったのが成長であるが、それに合わせて自分のことも客観的に見れるようになり、今まで見えていなかった自分の欠点が浮き彫りになった。私の今の課題は初心を忘れずに部活に取り組むことだ。これまでの慣れと経験値が悪い方向に出てしまう時があり、そのような時は大半、今の自分の現状に驕ってしまい過信してしまっている時である。

 これまで「マネージャーは部を客観的に見ることのできる唯一の存在」とよく監督から言われていたが、1、2年生の頃の私は自分の仕事で精一杯で正直まだこの言葉が実感できていなかった。でも、今になってやっとわかった。わかったからこそ、今の状況に私は不安を感じている。

 もうあと1ヶ月で今年度の陸トレは終了し、来年度からは私たちの代が部の顔となる。最近は「本当にこのまま代替わりして大丈夫なのだろうか」「今までの先輩たちのように私たちは部を創り上げていけるのだろうか」と心配することが多くなった。

 周りからは「大丈夫、なんとかなるから。」とよく言われるが、本当にそれでいいのだろうか。私は「なんとかなる」という気持ちのままで部活を終わらせたくはない。しっかりと自分達の理想とするビジョンを常に持ち続け、それに向かってみんなで日々努力していく部活を作りたい。でも、今の自分にそれができるかというと、まだ気持ちの面でも技術的な面でも足りていないことが多すぎる。

 あと残りの1ヶ月でどこまで自分は成長できるかわからないが、年度が変わる頃、もう次の代に任せて大丈夫だと思ってもらえるように残りの時間を過ごしたい。そのために今の自分の課題をなくしていくことは当然のことだが、部活全体の課題にも目を向けながらそれに向き合って行きたいと思う。

何が何でも / ノルディック班3年 菊波 喬

 今年は夏合宿が出来ると聞いて、まず思ったのは自分はメニューについていけるのか、疲労が溜まった中で20kmも走れるのか、不安ばかりしか頭になかった。

 私は部員の中でも走りが速いわけではないし、筋力があるわけでもない。他の部員に勝てるものがあるとしたら、幼少からやってきたスキー板の操作技術と体の柔軟性くらいのものだろうか。そんなものは夏合宿のランメニューを乗り越えるには何の意味もない。それに加えて、夏合宿前に足を痛めて7月はほとんど走っていなく、前期につけた体力は落ちているという不安要素ばかりしかなかった。そんな中で迎える夏合宿に向け一つ決め事をした。それは何が何でも最後まで食らいついてやるということだ。そんな思いで夏合宿に臨んだ。

 今回の夏合宿では2日目の10kmのクロカン走、3日目の中距離ペース走、4日目の20kmタイムレースの3つのメニューは先頭から遅れ、一人で走ることが多くなる中で、心が折れそうになることがあった。ただ、その度に頭をよぎるのは部員のことや部のことであった。

 スキーという競技は個人戦の部分が強いが、インカレの昇格という部分は団体戦である。一人でも欠ければ部に大きな損失をもたらす。走っている中で自分の足が止まれば冬の本番でも同じようなことが起き、部に貢献できない状況になるという思いから足を前に動かした。また、途中のマネージャーの応援やOBの方が併走してくださったときは自分一人では出せない力を出せた。その結果、設定されていたタイム通りには走れなかったが、最後まで走り抜けることができ、当初決めていた事は守ることができた。

 この夏合宿を経て、身体的にはもちろん精神的にも大きく成長したと感じている。今年、一般・アルペン班からノルディック班に移動し、ジャンプ、コンバインドに挑む。その中で、普段の部活動のメニュー強度とは明らかに違うものを乗り越えたからこそ得られた自信で、今後高い壁が目の前に現れても越えられると思う。

 新たな挑戦で部の誰よりも貢献し、男子2部昇格を実現させる。