尽きぬ探究心 / ノルディック班4年 石毛 美桜

 スキーは奥深い。クロスカントリースキーのタイム短縮には、実に多くの要素が絡んでいる。技術、道具、体力、精神力、雪質に合わせた滑り方、レース中のペース配分、試合までのコンディション・練習量調整…列挙すればキリがない。クロスカントリースキーの走法も知らなかった入部当初と比較し、技術が上達するのと反比例して悩みは増える一方だ。だが、それもクロスカントリースキーの楽しさの一つではないだろうか。

 中高6年間茶道部に所属し、体育会の世界を知らなかった私にはスキーがこんなにも頭脳を必要とするスポーツだとは想像もつかなかった。一部校選手と自分の滑りは何が違うのか、二部のライバル達と比較した際の自分の武器は何なのか…考えて自分なりの答えを出し、トライしてみる。結果が出なければ都度修正し、より自分の強みを活かせる走法を追求する。これが楽しい。

 元々負けず嫌いな私の性格ゆえに、下級生の頃は謎の対抗心があり同期の後埜上や伊藤にフォームの相談をすることは少なかった。合宿生活において日々強い探究心を持ち努力し続ける同期の姿を見るうちに、同期はライバルでありつつも共に闘う仲間であり、インカレでは共に昇格を目指す仲間だという意識が強まっていった。いつしか同期だけでなく後輩にも素直に相談し、効率よく相互に高めあうことが出来るようになっていた。

 気づけば最後のインカレが一カ月後に迫っている。二部の経験者達を抜いて表彰台に立ち、女子一部リーグ昇格に貢献する。その為に、最後の最後まで自分なりの探究心を持ち続け、もがき楽しむつもりだ。