何が何でも / ノルディック班3年 菊波 喬

 今年は夏合宿が出来ると聞いて、まず思ったのは自分はメニューについていけるのか、疲労が溜まった中で20kmも走れるのか、不安ばかりしか頭になかった。

 私は部員の中でも走りが速いわけではないし、筋力があるわけでもない。他の部員に勝てるものがあるとしたら、幼少からやってきたスキー板の操作技術と体の柔軟性くらいのものだろうか。そんなものは夏合宿のランメニューを乗り越えるには何の意味もない。それに加えて、夏合宿前に足を痛めて7月はほとんど走っていなく、前期につけた体力は落ちているという不安要素ばかりしかなかった。そんな中で迎える夏合宿に向け一つ決め事をした。それは何が何でも最後まで食らいついてやるということだ。そんな思いで夏合宿に臨んだ。

 今回の夏合宿では2日目の10kmのクロカン走、3日目の中距離ペース走、4日目の20kmタイムレースの3つのメニューは先頭から遅れ、一人で走ることが多くなる中で、心が折れそうになることがあった。ただ、その度に頭をよぎるのは部員のことや部のことであった。

 スキーという競技は個人戦の部分が強いが、インカレの昇格という部分は団体戦である。一人でも欠ければ部に大きな損失をもたらす。走っている中で自分の足が止まれば冬の本番でも同じようなことが起き、部に貢献できない状況になるという思いから足を前に動かした。また、途中のマネージャーの応援やOBの方が併走してくださったときは自分一人では出せない力を出せた。その結果、設定されていたタイム通りには走れなかったが、最後まで走り抜けることができ、当初決めていた事は守ることができた。

 この夏合宿を経て、身体的にはもちろん精神的にも大きく成長したと感じている。今年、一般・アルペン班からノルディック班に移動し、ジャンプ、コンバインドに挑む。その中で、普段の部活動のメニュー強度とは明らかに違うものを乗り越えたからこそ得られた自信で、今後高い壁が目の前に現れても越えられると思う。

 新たな挑戦で部の誰よりも貢献し、男子2部昇格を実現させる。