タイムレースが残すところあと1回となり、冬合宿のことを本格的に考える時期になってきた。クロスカントリーを始めて3年目の冬が来ようとしていると思うと、少し寂しいような、なんとも言えない気持ちになる。
思えば、チーム全体のことを意識して考えられるようになったのは、トレーニングチーフを任せていただいてからだと思う。1年目は同期もおらず、部活の流れについていくことで精一杯だった。2年目は「チームに貢献したい」という気持ちが強く、タイムにこだわり、がむしゃらに走り続け、先輩や他校のライバルと勝った時にはひたすら喜ぶ。そんなクロカンに夢中になった日々だった
そしてトレーニングチーフになった3年目。自分のタイムだけでなく、部員全員の成長を見届ける責任があることを痛感した。チームが強くなれるかどうかは、私たちトレチ次第。自分の練習だけでなく、部員それぞれのタイムを振り返り、次の練習にどうつなげるかを常に考えなくてはならない。最初のうちは「自分に向いていないかもしれない」と感じることも多かった。トレチとしてのお手本であるためには、自分自身も強くあり続けなければならない。
そんな中で迎えた2学期最初のタイムレースでは、恥でしかないのだが、過去の自分にすら勝てず、さらに初めて後輩に負けてしまった。正直、ものすごく悔しかった。でも同時に、夏合宿や通常練習を通して確実に力をつけてきた後輩たちをひたすら尊敬するし、彼らを支える立場として達成感も感じた。とはいえ、私はやっぱり一番でいたい。背中を見せ続ける存在でありたい。その気持ちは今も変わらない。周りを鼓舞して周りと切磋琢磨しあいながらも、自分はその何倍も努力して1位がいい。
今は、トレチとしての責任を感じながらも、心からこの役職を楽しんでいると思う。どうすればもっとチームが強くなれるか、どうすれば班の皆がクロカンに夢中になれるか。ノルディック班もアルペン班も関係なく、互いに良きライバルとして高め合える関係を築きたい。まだ達成していない夢ばかりだ。これからの私で部活も自分自身も変えられると思うととても心が躍る。
私たちは大学生の4年間しか選手として活動しない。限られた4年間という時間の中で、切磋琢磨し合えるこの環境こそが、何よりの宝物だと思う。最後の冬に向けて全力で駆け抜けたい。