大学4年間の陸上トレーニングを終えて / マネージャー班4年 市ノ川 千晴

今年の陸上トレーニングは今までで一番苦戦した。

これまで、私の陸上トレーニングはコロナ禍の大学1年生時代に行った浮間舟渡公園での夕方練習から始まり、大学2年生では戸山公園での朝練習、そして、大学3.4年生では大学内での朝練習とさまざまな場所と時間で行ってきた。夕方の授業が終わり、真っ暗な公園で部員のタイムコールを行ったり、戸山公園で朝練習を行った時は、大学へ1限を受けにギリギリの時間の中で全力疾走したりと、今考えたらとても異例なことを行ってきていた。

それぞれの学年で大変だと感じることはもちろん違うし、その時感じたことも、やはり学年や立場によって異なる。その中でも、一番苦戦したのは大学4年生であった。今年に入って学内練習も2年目になり、朝練習の雰囲気や全体の流れについては慣れてきた頃ではあった。しかし、その中でも最も変化が大きかったのは、自分が最上級生となり指導者として部活全体を統括する役目になったということだった。

これまでは自分より上の学年がいて、何かあったら頼ることができていた。しかし、それができなくなり、自分たちの力でこの代のスキー部を引っ張っていかなければならなくなった時、どれだけ自分が無力であるかというのをこの1年で思い知らされた。自分は人に指導することがあまり得意ではなかったため、最上級生となった時、あまりにも自分が頼りなさすぎてどうしていいのか正直わからなかった。途中で全部を投げ出してしまいたくなる時も数えきれないほどたくさんあったし、今も自分のやり方が正しいのかはわからない。

しかし、これまでの部活動を通して、私が確実に一つ言えることは、その時、その瞬間を全力で、本気で取り組むことが一番大切だということだ。自分のやり方が正しいかどうかなんて、誰もわからないし、その時その場で答えが出るものでもないかもしれない。しかし、自分の決めた道を全力で進んでいくことが、その時にできる精一杯の努力だと私は思う。簡単なことのようでとても難しい。自分をしっかりと信じていないとできないことだからだ。

もうこれで大学4年間の陸上トレーニングも終わり、次の代へ少しずつ引き継いでいくことになる。私が後輩へ伝えられることは、技術的な面ではあまり多くはないが、部活に取り組む姿や、1人の人間として大切なことは今後も必ず活きてくるため、しっかりと伝えられるようにしていきたいと思う。卒業まで残り4ヶ月。自分にできる精一杯のことを全力で取り組んでいきたい。