Give it all you’ve got / 一般・アルペン班1年 間瀬 麻日

 明けたばかりの冬空が暖かい太陽の光を含んで銀色の雪面に煌めきを与えている。
白銀の世界できらきらと反射する光の粒から逃げるように澄んだ空を見上げると雲ひとつない青空がオレンジのグラデーションとともに1日の始まりを告げている。
いくら着込んでもそれを構わんとばかりに吹き付ける寒風が私の体を冷やしていく、
それに反比例するように私の心は今から向かうあの凍った斜面への熱い想いで満たされている。

 アルペン競技をほぼやったことのなかった私にとって初めての長期合宿は生易しいものではなかった。太陽が登る前に起きて日の出とともに登り自分の滑りに集中して1日の練習が終わってしまう。最初の頃は周りの同期が経験者ばかりだったこと、女子が1人しかいないことも相まって疎外感を勝手に感じていたこともあった。
負けず嫌いを拗らせて自分より上手い人の滑りを見ると劣等感に苛まれることも数え切れないほどあった。

 しかし、そう思う度に「私には成長できる余地がまだある」「私が学習院アルペン班の女子の代表なんだ」と思い直し自分を鼓舞させて練習に励んできた。そのかいあってつい先日行われた全国学生岩岳スキー大会の村長杯争奪スキー大会女子新人戦において5位入賞をすることができた。

 タイトルのGive it all you’ve gotという意味は「今まで培ってきた全てを注げ」「全力で頑張れ」という意味である。これは私がアメリカでソフトボールのキャプテンをしていた時に監督とコーチからよく言われていた言葉である。

 練習の成果を存分に発揮してこいというこの言葉を今思い返して「あぁ私は力を培うべきなんだな」と深く思う。自分の目指すあの場所へ全力を尽くすために私は自分にできる最大のことをできうる限りしようと心に決めてはや3ヶ月が経とうとしている。
 その思いは未だ変わっていない。残された時間はあと少し、その間に何ができるか。

 まだ見ぬインカレの野沢温泉の雪壁に思いを馳せながら。

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