終わりを迎えて / ノルディック班4年 赤司 凌

 「君、スキー好きそうだね!」
そう言われながら腕を引かれ、あの部室に導かれたのが、私の学習院大学スキー部としての人生の始まりだった。その時は、こんな素晴らしい4年間を過ごすことができるとは、夢にも思わなかった。

 先輩の背中をがむしゃらに追いかけ、そんな背中に憧れた1、2年生。上級生になり、責任感というプレッシャーに苦しんだ3年生。唯一の最上級生になった4年生。ただただ順風満帆な4年間ではなかった。
 しかし、思い出すのは、楽しかった思い出ばかりだ。それは、私のことをずっと支えてくれた周りの人たちのおかげと思う。叱咤激励し、いろんな場面で力を貸してくださったOB、OGの方々。私のことを優しく受け入れ、今までついてきてくれた後輩たち。心折れそうなときも、支えてくれる人がいたから頑張れた、楽しかった。
 この文章を書きながら何度、まだみんなと部活がしたい、まだみんなと一緒にいたいと思ったことだろうか。残念なことにそれはもうできない。今度は卒業生として、後輩たちにできることを探し、恩返ししていきたい。

 スキー部に入らなかったら、どんな大学生活を送っていただろうか。憧れた先輩のような背中を後輩に見せることはできただろうか。少しでもスキー部の力になれただろうか。終わりを迎え、振り返るといろんな思いが、頭をよぎる。その答えを確かめることはできない。ただ言えることはこのスキー部に入って、スキー部に携わる方々に出会えて、本当に幸せだった。学習院大学スキー部の一員だったことを誇りに社会人という新たな舞台で頑張りたいと思う。

 最後に、学習院大学スキー部に携わる皆さまに感謝申し上げたいと思います。
 4年間ありがとうございました。

幹部交代

昨日平成30年度幹部交代式が行われました。合わせて新幹部をご報告させていただきます。

主将 頼光 竜二郎
副将 望月 史
主務 安藤 美紗
会計兼副務 原 友梨奈
一般・アルペン班トレーニングチーフ 頼光 竜二郎
ノルディック班トレーニングチーフ 五十嵐 有冴

渉外担当 館野 沙織
雪煙担当 吉田 圭汰
一般合宿担当 前田 湧作
支援企画担当 川野 浩太郎

新しくできた渉外は雪煙、一般合宿、支援企画の統括を担当します。

来年度は男子は2部昇格、女子は2部上位を目指し、より一層チームとして一丸となり戦っていきます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。


主将として / 一般・アルペン班3年 望月 史

 もうじきインカレが始まる。
 我々スキー部にとっては大きな目標としてきた大会の1つであり1年間、いや2年生にとっては2年間、3年生にとっては3年間、4年生にとっては4年間の集大成となる場である。それぞれが、それぞれの思いを胸に、重さをもって挑む大会だ。自分は3年目で、最後の大会ではないが今大会は特別なものになる。3年生でありながら主将に任命され同時にトレーニングチーフをこなしたこの1年間は一言で表せるものではない。泣き言をいうわけではないが、辛いと感じたことは少なくなかった。

 実際に自分が主将となり、今までの主将だった先輩方の背中の大きさを改めて実感した。自分は後輩にそんな背中を見せられた主将だったのだろうか。仮に来年度、自分が主将になることがあっても今年度このチームで主将として過ごすことはインカレが終わってしまえばもう2度とない。

 後ろを振り返れば、この1年間でやりきれなかったこと、後悔や、思い残しは自分の中にたくさんある。しかしそれは今考えるべきことではないだろう。インカレという大舞台を前に自分ができること、主将としてすべきことは健気にも前に進み続けることだと思う。それは自分が引っ張る学習院大学輔仁会スキー部のためでもあり、自分のためでもある。

 インカレはいい思い出を作る場ではない。
 1年間積み重ねてきたものの成果を発揮する場であって必ずしも、それがいい結果になるとは限らない。自分が主将として1年間行ってきたこと、努力してきたこと、全ての結末が次のインカレでは露わになる。

 最後に、結果はまだわからないがここまで辛いことが多い中、ついてきてくれた部員達には心から感謝したい。今のメンバーでインカレを迎えられることが何よりも嬉しい。それぞれが今まで積み重ねてきたものを存分に発揮できる大会になることを願うばかりである。

インカレに向けて / ノルディック班2年 平岡 紗理

 白馬での2月合宿も折り返しとなり、いよいよインカレが近づいてきました。

 私は今年度の夏に入部し、12月の音威子府での学生チャンピオンが初めての大会でした。
 音威子府での練習は精神的にも辛い面もあり、明確な目標などもないまま滑って1日が終わるという日々の繰り返しでした。慣れない雪上でのトレーニングでは、体のどこかが痛くなってしまったり思い通りに練習もできなかったように感じます。

 私は、小学生のころからやっていた基礎スキーを少しでも活かせたら良いと思っていました。しかし、初めてのクロスカントリーは足首が固定されず、板が軽いこともあり、下りではぐらぐらと安定感のない滑りとなってしまい、戸惑い混乱し、悩む毎日でした。上りではすぐに息が切れ、太ももはぷるぷる震え、ただただつらくて、なぜクロスカントリーを始めたのか分からなくなることもありました。

 今更夏もっと筋力トレーニングをしておけばよかったと後悔したりもしました。私が弱音を吐くと先輩、同期、後輩、さらにはマネージャー、アルペン班の部員まで励ましてくださり、なんとか乗り切ることができました。後から入部して馴染めるかとても不安だった私にとって、一言一言がありがたく、糧となりました。

 この初めての大会では散々な結果となってしまいました。しかし、終わった瞬間の私は笑顔が溢れ、滑りきった達成感とクロスカントリーのすばらしさを存分に感じることができました。あの時勇気を出して入部を決めて本当に良かったと思いました。もちろん、滑り切るということだけで満足してはならないのでインカレでは納得のいく滑りをしたいです。

 2月合宿は、12月合宿に比べてコースで沢山の距離を滑ったり毎日目標をしっかり立てたり、疑問に思ったことは納得がいくまでいろいろ試してみたりなど、濃い練習ができていると感じます。インカレまでの練習は、残り2週間程度ですが、全力で取り組んで行きたいです。

Give it all you’ve got / 一般・アルペン班1年 間瀬 麻日

 明けたばかりの冬空が暖かい太陽の光を含んで銀色の雪面に煌めきを与えている。
白銀の世界できらきらと反射する光の粒から逃げるように澄んだ空を見上げると雲ひとつない青空がオレンジのグラデーションとともに1日の始まりを告げている。
いくら着込んでもそれを構わんとばかりに吹き付ける寒風が私の体を冷やしていく、
それに反比例するように私の心は今から向かうあの凍った斜面への熱い想いで満たされている。

 アルペン競技をほぼやったことのなかった私にとって初めての長期合宿は生易しいものではなかった。太陽が登る前に起きて日の出とともに登り自分の滑りに集中して1日の練習が終わってしまう。最初の頃は周りの同期が経験者ばかりだったこと、女子が1人しかいないことも相まって疎外感を勝手に感じていたこともあった。
負けず嫌いを拗らせて自分より上手い人の滑りを見ると劣等感に苛まれることも数え切れないほどあった。

 しかし、そう思う度に「私には成長できる余地がまだある」「私が学習院アルペン班の女子の代表なんだ」と思い直し自分を鼓舞させて練習に励んできた。そのかいあってつい先日行われた全国学生岩岳スキー大会の村長杯争奪スキー大会女子新人戦において5位入賞をすることができた。

 タイトルのGive it all you’ve gotという意味は「今まで培ってきた全てを注げ」「全力で頑張れ」という意味である。これは私がアメリカでソフトボールのキャプテンをしていた時に監督とコーチからよく言われていた言葉である。

 練習の成果を存分に発揮してこいというこの言葉を今思い返して「あぁ私は力を培うべきなんだな」と深く思う。自分の目指すあの場所へ全力を尽くすために私は自分にできる最大のことをできうる限りしようと心に決めてはや3ヶ月が経とうとしている。
 その思いは未だ変わっていない。残された時間はあと少し、その間に何ができるか。

 まだ見ぬインカレの野沢温泉の雪壁に思いを馳せながら。

躬行実践 / ノルディック班1年 吉田 圭汰

  「問題を見つけ、その解決に向けて知識を再構築し、自ら実際に検証し、また問題を見つける。この循環こそが学問だ」

 私が尊敬する評論家・勝間和代氏は、慶應義塾大学の講演会でそう語っていた。中学一年生の時にそれを聞いて以来、彼女の言葉は私が何かを学ぼうとするとき思い起こされる。

 冬を迎えて初めて取り組んだクロスカントリースキーでもそれは同じことだった。
 板の感触、ワックスの知識、その他諸々の技術は私にとっては「問題」であり、日夜研究の連続だった。上手くいかない時は四年生の赤司さんにコツを聞いたり、OBの先輩にアドバイスを頂いたりした。時には動画サイトでワールドカップ出場選手を見ては自分の滑りと比較し、実際に真似もしてみた。そうして限られた時間の中で貪欲にヒントを得つつ、一個ずつ課題を論理的に解決していってはまた違う課題が発現する。この意味で学問とスポーツは同じだ。
 
 正直なところ、ここまでスポーツに真摯に向き合い、思考を巡らせたことは一度もない。それでもこれ程まで自分を追い込めたのは、やはり同期三人と二年生の平岡さんの存在あってのものだろう。ノルディック初心者四人と競争相手が多い中、負けず嫌いな自分の性格と陸トレで培った粘り強さが功を奏していた。

 まだ一年目の勝負は始まったばかり。何が自分に足りていないのか考えつつ、実際にアクションを起こしていく姿勢だけは貫きたい。

2017年度 MAX測定

ベンチプレス(㎏) スクワット(kg) レッグプレス(kg) ラッドプルダウン(kg)
男子 前期 後期 前期 後期 前期 後期 前期 後期
赤司 71 65 97 97 224.8(10) 224.8(9) 54 64
伊藤 56 55 57 57 224.8(7) 224.8(9) 64 54
望月 61 60 87 70 182(8) 200(9) 64 64
頼光 71 70 97 90 224.8(8) 222,5(9) 73 64
足立 46 41 57 55 200(11) 224.8(11) 54 45
川野 36 41 65 224.8(8) 224.8(7) 54 54
白井 56 50 92 92 209(8) 224.8(8) 54 54
前田 61 61 97 90 224.8(8) 224.8(9) 64 64
山本 46 51 82 80 224.8(8) 224.8(10) 54 64
吉田(汰) 51 55 57 60 191(11) 200 54 54
吉田(佑) 46 82 218(11) 64
女子
五十嵐 36 36 62 55 224.8(8) 224.8(8) 41 41
市川 22 25 47 42 136(9) 224.8(9) 36 36
平岡 20 35 224.8(8) 32
海老根 36 30 72 70 182(7) 224.8(7) 36 41
間瀬 31 31 67 65 224.8(8) 224.8(7) 36 36
※レッグプレスの括弧は、椅子の位置の数値です。

第5回タイムレースリザルト/12/2(土) 天気:晴れ

男子 出走14:30  欠席者:山本
順位 氏名 1 2 3 4 5 前回比 ベスト比
1 赤司 3’24” 3’38” 3’42” 3’46” 3’26” 17’56” 18’55” -0’59” 18’32” -0’36”
2 足立 3’25” 3’42” 4’02” 4’07” 3’58” 19’14” 19’32” -0’18” 19’32” -0’14”
3 望月 3’46” 3’55” 3’58” 3’56” 3’48” 19’23” 19’59” -0’36” 19’45” -0’22”
4 伊藤 3’46” 4’03” 4’08” 4’12” 4’01” 20’10” 20’19” -0’09”
5 吉田(汰) 3’43” 4’04” 4’10” 4’23” 3’58” 20’18” 23’06” -2’48” 21’59” -1’41”
6 川野 3’49” 4’11” 4’17” 4’13” 3’57” 20’27” 21’20” -0’53” 21’20” -0’53”
7 吉田(佑) 3’49” 4’08” 3’55” 4’35” 4’10” 20’37” 20’57” -0’20” 20’57” -0’20”
8 前田 3’43” 4’01” 4’15” 4’32” 4’14” 20’45” 22’05” -1’20” 21’30” -0’35”
9 白井 3’44” 4’05” 4’15” 4’30” 4’18” 20’52” 21’23” -0’31” 21’23” -0’31”
10 頼光 3’46” 4’04” 4’21” 4’22” 4’32” 21’05” 20’55” +0’10” 20’55” +0’10”
参考タイム
OB 増田さん 3’40” 3’45” 3’44” 3’45” 3’36” 18’30”
OB 吉野さん 3’36” 3’49” 3’43” 3’57” 3’48” 19’03”
OB 森山さん 3’38” 4’01” 4’15” 4’15” 4’00” 20’09”
OB 広瀬さん 3’41” 3’54” 4’30” 4’17” 4’03” 20’37”

 

女子 出走14:00 欠席者:
順位 氏名 1 2 3 前回比 ベスト比
1 五十嵐 4’31” 4’47” 4’37” 13’55” 13’35” +0’20” 13’35” +0’20”
2 市川 4’39” 4’51” 4’38” 14’08” 13’51” +0’17” 13’51” +0’17”
3 平岡 4’47” 5’04” 4’49” 14’40” 14’30” +0’10” 14’30” +0’10”
4 海老根 4’41” 5’17” 5’02” 15’00” 14’45” +0’15” 14’45” +0’15”
5 間瀬 4’56” 5’27” 5’09” 15’32” 15’17” +0’15” 15’17” +0’15”

二年目の冬 / ノルディック班2年 市川 真衣

 2年目の冬がようやくやって来ました。
 今年は去年と様々なことが変わりました。新歓で、一年生10人という近年稀に見る多くの部員が部活に加わり、一気に部活が活気付きました。その一方、二年生はというと同期が3人やめていき、新たに一人の同期が加わりました。去年と部員の半分以上のメンバーが変わり、部活の雰囲気も変わりました。

 去年は予想もしていなかったことがたくさん起こりました。わたし自身、練習において去年とは気の持ちようが変わり、去年は先輩につ追いつこうという気持ちで引っ張ってもらっていましたが、今年は先輩についていくだけではなく、わたしが女子を引っ張らなければ、活気づけなければいけないという思いがありました。

 この部活に入って学んだことは数知れずあります。
そんな中で最近身に染みて感じたことは、人生何が起こるか本当にわからないということです。予想もしていないことが起こるのが人生です。何が起こっても自分の軸をしっかり持ち、動じないということを学びました。また、やらなければならないことはすぐに始めるということです。

 去年の冬は、初めてのノルディックという競技、初めての長期合宿で、辛いことも多かったですが、夏に陸トレで鍛えた精神力と体力でなんとか乗り切りました。去年は全員がリレーに出ることができるという恵まれた環境だったのですが、今年は状況が変わり、女子はリレーで枠争いがあるため、気を抜いてはいられません。

 必ず今年の冬で成長して東京に帰ってこられるように努力を怠らず、合宿生活を過ごしていきます。

陸トレで得たものを冬へ / ノルディック班1年 足立 昇平

 この学習院大学に入学した4月。悩んだ末にこの学習院大学輔仁会スキー部への入部を決心した。
 正直、入部当初は高校時代に部活に入っておらず、体力には自信がなく、練習についていけるか不安であり、心配でもあった。またこれほど毎日のように走るとも想像していなかった。

 だがある土曜日に行ったペース走で、1年生でただひとりメニューに付いていけたことで大きな自信を得ることが出来た。自分は走れるんだと。翌週に行ったタイムレースでも1年生の中では断トツの1位であった。これでまた自信を得て、走る楽しさにも目覚めることができた。

 そして入部当初の12分間走では、今までそんなに走れないからと、スタートから先輩から引き離され、何の悔しさも感じず、当たり前だと思っていた。ただあのペース走、タイムレースを経験してから、速い先輩の後ろについて走ろうと思ったら案外走れることがわかったのだ。このことから、やる前から出来ないと考えてしまうことが自分に制限をかけてしまい、大きな可能性を否定してしまうことがわかった。またひとつのきっかけで、気分や心境も変化することがあるのだと感じた。なので、冬の合宿では、大きなアンテナを張って、些細なことにも気付き、それを自分の成長の糧にしていきたい。

 そしてランニングにおいては成長を続け、後期に行われた2回のタイムレースでは両方とも全体で2位を取ることができた。この自信が冬の合宿に大きな影響を与えると信じている。ただ今年最後のタイムレースでは、自己ベストを更新はしたものの、個人的には悔しさが残った。なぜなら自分で立てた目標には及ばず、満足できる走りが出来なかったからである。この悔しさを冬の合宿にぶつけ、バネにし、成長し続けたいと思っている。

 だからこそ今年の冬、初めてやるノルディックスキー。まず自分は出来ると信じること、そのことが無限にひろがる可能性への第一歩だと信じ、挑戦し、飛躍していきたい。