捲土重来 / ノルディック班2年 吉田 圭汰

 季節外れの紅葉が散りはじめ、凍てつく風が冬の始まりを知らせてくれる。同時に私の二度目の挑戦が直に始まる。思えば2018年という年は大きな失敗を二度も経験した。インカレ大敗と信頼の喪失だ。

大学生になり、がむしゃらに頑張った一年生の締めくくりに出場させていただいたリレー競技。しかし私一人の力などでは学習院の勝利に貢献もできず、結果三部降格となった。あれほどまでに「自分の無力さ」を悔いたことは無かっただろう。

他班の同期とは異なる、異様なプレッシャーと敗北感を味わったからか、二年生になると仲間意識を忘れ結果に執着しすぎる自分がいた。「頑張ってきたから大丈夫」。そんな一年生の時に抱いていた過程主義の自己評価をぶら下げてインカレに挑みたくないという一心で独り自主練することも増えた。

そんな煮えたぎる勝利欲、結果主義や個人主義、様々な迷いが自ずと言動に出ていたのだろう、先輩や同期の信頼を大きく失う結果となった。

失敗だらけの私を叱責し、やり直すチャンスをくれた先輩方や同期がスキー部にいてくれたことが何より救いであった。
だからこそ自分ではなく、そんなチームのために戦いたいと今は心から思う。人の信頼というのは簡単には取り戻せない。しかし、失敗を重ねた結果得たこの想いや情熱は態度で示していきたい。

上級生になるのは目の前だ。後輩に向けて恥ずかしくない背中と本気を、この冬は見せたい。

風雪磨人 / 一般・アルペン班2年 間瀬 麻日

 風雪磨人という言葉をご存知だろうか、北海道の遠軽駐屯地にある石に掘られた言葉である。
 ここの駐屯地の連隊はスキー競技会で11連覇を成し遂げた記録を持っているとのことである。北海道の雨風に晒さられるような環境で人は逞しくなるという意味だ。

 足元や首筋を突き刺すような冷たい風が通り抜ける今日この頃、すでに北海道に行っている部員もいる中でこれからの合宿に思いを馳せる。
 去年の野沢でのインカレで悔しい思いをした部員もたくさんいるだろう、私もそのうちの一人だ。足の怪我が原因でインカレの舞台では自分の理想とはかけ離れた滑りをしてしまった。悔しくて悔しくてその日は涙を流したのを鮮明に覚えている。

 冬というのはとても短く、さらに私たちが雪上に立てるのは本当に限られた期間だ。今年の陸のトレーニングでは昨年の怪我の経過が悪化し慢性症となってしまって走ることができず、自分を奮い立たせながら治ることを信じて、日々できること探し、実行するしかなかった。辛いリハビリも足繁く通った病院も全ては冬に滑るため、周りとの差に心が折れそうになっても今は足を治すと決めて。

 昨年は初めての長期合宿で私の心がまるで子供が嬉々として潰すあの初霜のようにぐちゃぐちゃになってしまうことが何度もあったが今年は硬い氷結のように心を強く持って冬合宿に臨みたいと思う。

 風雪磨人。文字通り雨風に晒されて、逞しくなったみんなで今年のインカレを迎えたい。

2018-2019シーズン 合宿予定

【 一般・アルペン班 】

合宿名 日程 開催地 宿泊先 TEL
12月合宿 12/22-12/30 小海 〒384-1103

長野県南佐久郡豊里

小海町豊里5907

小海リエックス•ホテル

0267-93-2211
年末年始合宿 12/31-1/8 菅平 〒386-2204

長野県上田市菅平高原1223-2579

松栄屋

0268-74-2171
2月合宿 2月初旬-2/18

 

 

【 ノルディック班 】

合宿名 日程 開催地 宿泊先 TEL
12月合宿 12/10-12/24  

音威子府

〒098-02501

北海道中川郡音威子府村

旧音威子府中学校

01656-5-303
年末合宿 12/24-12/27 旭岳 〒071-1472

北海道上川郡東川町勇駒別旭岳温泉

旭岳温泉ホテルベアモンテ

0166-97-2321
年始合宿 1/1-1/8 妙高、

野沢

〒949-2112

新潟県妙高市関川2416-10

学習院妙高高原寮

0255-86-2327
2月前半合宿 2月初旬-2/11 白馬 〒399-9211 長野県北安曇郡白馬村神城22203−143

ペンションボナール

0261-75-2291
2月後半合宿 2/11-2/18 野沢 〒389-2502

長野県下高井戸郡野沢温泉村豊郷9327

千歳館

0269-85-2009

 

 

【 ジャンプ班 】

合宿名 日程 開催地 宿泊先 TEL
12月後半合宿 12/25-12/28 朝日町 〒096-0012

北海道名寄市西2条南4丁目

B&Bホテルバードイン

01654-9-4600
12月後半合宿 12/28-31 朝日町 〒096-0013

北海道名寄市西3条南5-11

ホテルマイステイズ名寄

01654‐8‐8100
2月後半合宿 2/11-2/18 野沢 〒389-2502

長野県下高井戸郡野沢温泉村豊郷9327

千歳館

0269-85-2009

*その他はノルディック班と一緒にクロスカントリーの練習を行います。

第5回タイムレースのお知らせ

12月8日(土)
女子出走14:00
男子出走14:30

場所 百周年記念会館付近

本年度最後のタイムレースとなりました。

冬に入るにあたり、これまでの陸上トレーニングの成果を発揮する大切なレースとなります。

お時間のある方は是非応援にいらしてくだされば嬉しいです。

部員一同心よりお待ちしております。

第4回タイムレースリザルト/10月27日(土) 天気:晴れ

男子 出走 14:30  欠席者:なし
順位 氏名 1 2 3 4 5 合計 前回比 ベスト比
1 足立 3’37” 3’53” 4’00” 3’54” 3’48” 19’12” 20’57” -1’45” 19’14” -0’02”
2 望月 3’44” 3’57” 3’59” 3’59” 3’48” 19’27” 20’08” -0’41” 19’23” +0’04”
3 吉田(汰) 3’25” 3’56” 4’09” 4’09” 4’01” 19’40” 21’51” -2’11” 20’00” -0’20”
4 海部 3’42” 3’56” 4’02” 4’05” 4’15” 20’00” 21’03” -1’03”
5 3’43” 3’58” 4’12” 4’09” 4’10” 20’12” 24’01” -3’49” 20’57” -0’45”
6 頼光 3’43” 4’01” 4’21” 4’27” 4’11” 20’43” 21’57” -1’08” 20’55” -0’12”
7 山本 3’48” 4’11” 4’32” 4’37” 4’23” 21’31” 25’02” -3’31” 22’40” -1’09”
7 白井 3’49” 4’17” 4’23” 4’39” 4’23” 21’31” 23’14” -1’43” 20’52” +0’39”
9 川野 3’48” 4’20” 4’32” 4’36” 4’16” 21’32” 22’49” -1’17” 20’27” +1’05”
10 吉田(佑) 3’51” 4’19” 4’51” 5’07” 4’49” 22’57” 23’51” -0’54” 20’37” +2’20”
11 伊藤 3’56” 4’44” 5’09” 5’43” 5’09” 24’41” 21’06” +3’35” 20’10” +4’31”

今の気持ち / ノルディック班 2年 足立 昇平

 陸上トレーニングもあと1ヶ月を切った。雪上までも約1ヶ月となった。
振り返れば、あっという間だったかもしれない。

 今年の4月、タイムレースでの記録は自分が1番という自覚を持ちながら練習に取り組んだ。しかし早々にケガでメインメニューから離脱し、2ヶ月近くサブメニューをこなした。
 正直、面白くはなかったが、日々成長を感じることができ、この期間気持ちが折れることなく、復帰後を楽しみにしながら、自分で考えたメニューをこなし続けた。それが確実に今に活き、冬にも繋がるものと考えている。

 前期最後の第2回タイムレースでは初めて1位を取れたものの、決して良いタイムではなかった。
 去年の1位、昨年引退された赤司さんは、他を寄せ付けない1位であった。この時、改めて赤司さんの偉大さを感じた。今シーズンの練習、タイムレースでも、常にもう見えない赤司さんの背中を追い続けていたと思う。いつかはこの背中を追い越したい。

 昨年の冬は未知の世界への挑戦であった。
 クロスカントリースキーという競技を知り、経験し、今では虜となってしまった。今シーズンは元トップ選手の滑りを生で感じ、教えていただくという素晴らしい経験ができた。またトップ選手の動画を見ることで、自分なりに研究したつもりだ。

 だが雪上に立って改めて感じることもあると思う。
合宿の日々は常に試し、修正することの繰り返しだと思う。そして自分が納得する結果を出すには、合宿の日々自分を追い込み続けるしかないと思う。
 この追い込むこと、考え、修正することを楽しみたい。

トレーニングチーフ /  一般・アルペン班 4年 頼光 竜二郎

 3月に幹部交代式が行われ、大学4年にして主将とトレーニングチーフの2つの「肩書」を頂いた。
スキー部の舵を一気に任された責任感を強く感じながらも、いつか自分がと意気込んでいた役職に就けた事は誇らしくあった。

 いざトレーニングチーフになってみると、その責任の重圧は想像以上だった。
自分の一挙手一投足が部員の模範でなくてはならない。その意識だけでもタイムレースの記録は伸びたほどだった。

 今年度の目標は男子3部総合優勝、女子15位以内だ。
この目標を果たすために自分がトレーニングチーフとして行えることはスキー技術を伝えていく事だ。
 骨盤の傾きや運動中の足の向きなど、陸上トレーニングのなかでも冬に向けた意識を高める必要があった。これはアルペン班だけに限らず、ノルディック班にも共通して言えた。

 加えて、運動経験の浅い部員が多い中で、敏捷性を高めることや体の動かし方そのものを意識するためのトレーニングを行う機会も増やした。普段長距離系のメニューを引っ張ってくれているノルディック班員も苦戦しており、各々に必要とされる新しい要素も見えてきた。

 一方で自分がトレーニングチーフとして目指す所についても考えることとなった。スキー部として避けては通れないのがタイムレースであり、ノルディック班と勝負していくことが輔仁会スキー部アルペン班における伝統行事だ。

 自分もそうだったが、アルペン班として筋力トレーニングがしたいという気持ちとこの勝負に勝つために走ることを両立することは非常に難しい。現状としても、走り込みを優先するがあまり線の細い部員は多い。その中で妥協することなく両立を果たして見せたい。

 卒業後も自分の姿がアルペン班の中で残り続けるように。

葛藤 / ノルディック班 4年 五十嵐 有冴

 幹部交代式。
例になく以前から通達を受けていたにも関わらず、名前を呼ばれた瞬間、何故か身体が震えたのを覚えている。
 今まで部のエースと言われてきた先輩方が引っ張ってきたノルディック班を任される不安なのか、それとも二部昇格に向けてチームを率いていくという胸の高鳴りからなのかはわからない。様々な想いを抱えたこの日、私のトレーニングチーフとしての1年間が始まった。

 自分の考えや行動が班全体に影響を与える、その責任の大きさは計り知れなかった。
容赦なく立ちはだかる壁と抜け出せない迷路に悩み苦しみ葛藤し、毎日問い続けている中で見えてきたことがある。

 それはチームの導き方に正解は無いということだ。月並みな表現に聞こえるかもしれないが、改めて実感している事である。一方失敗は許されない。自身であれば、失敗や後悔から次はこうしてみようと学ぶ事が出来るが、チームにおいては班員を振り回す結果になるか、若しくは考えも及ばない影響が出る可能性があるからだ。

 最近の傾向として、自主的な部員が多いと感じられることは非常に嬉しい。彼らには、ただ言われたことに従うのではなく、果たして本当にこれで良いのかと疑うぐらいの気持ちで自分の事、仲間の事を一つ一つ改めて考え、その上で納得し行動してほしいからだ。

 極端に言えば、私は良いトレーニングチーフだと思われない方が良いと考えているぐらいである。自分の意思があるということは、確実に原動力に繋がると思う。そして意見を交わし互いが真剣に向き合うことでこそ強いチームが生まれるとも思う。

 そうであるからこそ、義務と権利、自主性と自分勝手の境界に悩み、チームマネジメントに強い葛藤が生じる。
 まだその芯の部分が掴めない自身に憤りを感じる日々だが、現在の私の解釈をパズルに例えるなら、私は枠組みとして輔仁会スキー部のあるべき姿を守り、部員一人一人がその枠組みの中でピースを合わせることによって、今年度の私達の完成画を彩るといったイメージである。

 その完成に向かって目標を見失わないよう道しるべとなり、時には厳しく、時には一番の味方となって彼らが歩を進めていけるように支えたい。そして欲を言うとしたら、今年度のインカレで全員で喜びを分かち合った時に、僅かながらでも何かチームに貢献できたと思えたら、それはかけがえのないものになるのだろうと想像している。

 本番はこれからだ。懸命に頑張る1年生、芯の強い2年生、陰から支え雰囲気をつくる頼もしい3年生、苦楽を共に乗り越えてきた4年生、ジャンプ班も兼任しているプレイヤー、私達ノルディック班11人ならどこまでも強くなれる。そして、共に切磋琢磨し合うアルペン班、応援してくれるマネージャーに支えられたこの素晴らしいチームを、しっかりと率いていきたい。

第4回タイムレースのお知らせ

10月27日(土)
女子 14:00出走
男子 14:30出走
場所 百周年記念会館付近

夏合宿後最初のタイムレースです。
お時間のある方は応援に来て頂けると大変嬉しいです。
練習の成果を存分に発揮できるように部員一同、精一杯頑張ります。
よろしくお願いいたします。

私が残せるもの。 / マネージャー班 4年 安藤 美紗

 私たちスキー部は個人競技ではなく、チーム競技である。
マネージャーももちろんチームの一員として「チームのため」に活動しているが、いざ試合となればただ声をかけ、見守り、応援することしかできない。

 その中で私たちが、私ができること―
それは日々の練習環境を整え、主将やトレチが、決めた目標に全員が向かうようにサポートすること(=リーダシップを発揮すること)だと、4年間の経験を通して思った。

 今年の私のテーマはマネージャーチームの運営だ。
嬉しいことに新入生からも2名のマネージャーを迎え、今年は5人でチームを支えることになった。
 先ほども述べたように私たちの仕事は日々の部活の運営をサポートすること、選手の練習環境を整えることであり、マネージャーチームのチームワークが部活の運営を左右すると考えている。

 最後の一年となった今年。
「この先10年残るものを残して引退してね」と、入部当初からお世話になっているOBの田村さんに大きな課題を頂いた。
 選手のように記録や結果として目に見えるものを残せない「マネージャー」のトップ(リーダー)として、後輩マネージャーたちに、今のスキー部に私が残せるものは何かを考えたとき、
 それは自分のスキルや仕事の継ぎ、後輩の個々のレベルアップを図ることだけではなく、強いマネージャーチームを作って卒業することだと思った。

 そこで新しく定期的に行ったのがマネージャーのミーティングだ。

 マネージャーチームとしての目標を私が定期的に掲げ、そしてそれをクリアするための個々の目標や課題をそれぞれが考えて全員で共有する。2年生から1年生に対しての指導も、4年生から2年生に対しての指導も、4年生の課題も、全員で共有することで彼女たちのこれからのヒントになるかもしれないとも考えた。

 そして部に対しての意見交換をすること。
 マネージャーだけでなく、部活全体を客観的に見て自分の意見をしっかり持ち、それを発言できるマネージャーになってほしい。

 そんな思いで3人の後輩のマネージャーと、同期の館野マネージャーチームを作ってきた。
お互いの熱い思いやまっすぐな気持ちを共有できて、時に厳しく、楽しく、指導し合える関係だからこそ、「仲良しごっこ」ではなく学年を越えて結束力のある強いマネージャーチームが形になりつつあると感じている。

 また、ミーティングとは別で後輩たちにはこれから彼女たちが部活を運営する立場になった時、壁にぶつかったとき、何かの役に立てば良いなと思い私のマネージャーとしての失敗談を含む様々な経験やその中で感じたことや、会計や主務をしての仕事内容や経験、そして部活に対して、マネージャーに対しての考え。たくさんのことを伝えてきた。

 それでもいつも最後には
「私と同じマネージャーになんてならなくても良い。」と言っている。

 “他のマネージャーや選手と違う、自分だから成れるマネージャー像を見つけてほしい。
そして選手にも他のマネージャーにも、これだけは負けない、と胸を張って言える「何か」を一つでも持ち続けてほしい“
と思うからだ。

 それぞれの良さを発揮できるマネージャーチームの中で、彼女たちが自らの意志をしっかりと持ち「自分らしい」マネージャーとして活躍すればもっともっと強いチームができるはずだ。
 そして彼女たちにマネージャーだけではなく、選手も巻き込んで強いスキー部を作っていってほしいと思う。

 引退まで残り半年。
私自身を含め、マネージャー個々のレベルアップも、マネージャーチームとしてのレベルアップも、できることはまだまだ沢山ある。私にできることはすべてやったと言い切って引退できるよう、悔いの残らない後期にしたい。