あと少しのBET(頑張り)で、その数倍のリターンが来る。
組織に所属する人間のうち、この理論に共感できる者はどの程度の割合でいるのだろうか。体育会という組織に所属している以上、やらなければならない事、役職、学年に応じた仕事など練習以外の様々なタスクをこなす必要がある。果たしてそれらは「頑張っている」内に入るのか。私が前期を通して、これまでを通して感じていることである。
私はこの問いにNOと言いたい。もちろん、トレーニングチーフや各種役職、二年生であっても後輩の指導などやることが多いのは確かである。しかし、これらは体育会に入った以上逃れられない義務である。そもそもこの義務に向き合わず、自分の事しか考えないというのは論外として、今回はその上の話をしたい。
組織行動論では、自分が所属する組織にどのように貢献できるのかを日々考え、あと少しの頑張りを投資することで組織を数倍いい方向に進めることができるとされている。組織への自発的貢献や主体性が組織と個人に及ぼす影響をデータから検証する。 Gallup社(2020)のメタ分析によると、主体的貢献度の高いチームは低いチームに比べ生産性が14~18%高く、収益性が23%向上する。また、Podsakoffら(2009)の研究では、基本業務の成果が同等であっても、自発的貢献を行う従業員は人事評価と強い正の相関(r≈0.40-0.50)を示し、昇進率が有意に高まる。さらに、Karasek(1979)のモデルは、与えられた業務のみをこなす「やらされている感の強い状態」の人が、そうでない主体的な人よりも精神的疲弊や健康リスクを大幅に高めることを実証している。したがって、僅かな主体的投資(頑張り)は組織の成績・モチベーション向上と個人のキャリア・健康に多大なリターンをもたらすのである。
しかし、主体的貢献にはリスクも伴う。時には新しいアイデアでのミスや詰めの甘さで迷惑をかけてしまうかもしれない。しかし、若干20の学生がそのようなリスクを恐れて頑張りもせず、挑戦しないことはそれこそ悪であると考える。前期を終え、留学を控える私自身ももっと主体的投資を行う余地がある。9月に日本を旅立つまでに、このスキー部にどれだけ貢献できるか、練習はもちろん全力で、部を1mmでも成長させられるよう頑張りたい。
