トレーニングチーフとして / ノルディック班3年 倉持 奈々

昨年、女子陸上トレーニングチーフを務め、今年はノルディック班のトレーニングチーフとなった。昨年のようなトレーニングチーフの先輩が2人もいると言う状況とは異なり、1つ下の皆川とともに部活の練習を導く立場となった。

昨年と大きく異なる点はもう一つある。下級生の数が圧倒的に多いことである。一年生が12人入部してくれたことが喜ばしい反面、下級生が15人、上級生が5人となり、上級生がいかに練習を引っ張り、いかにトレチとして適切な練習メニューを組んでいけるかが1番の課題であった。

就任してから既に半年が経過したが、上級生と下級生の実力差により、メニューバランスを考えることが非常に難しかった。中でも1番私が悩んだことは、1年生の怪我人の多さである。スキー部に興味を持ち、やる気に満ち溢れて入部してくれた1年生たちが、練習開始して数週間で足を負傷し、走るのはおろか歩くのもキツイ状態に陥っていた。メニューを与えている立場である私にとっては本当に辛かった。

怪我が出ることを考慮してメニューの強度を落とすことも考えたが、それはそれで問題であった。強度を上げて練習に取り組むべき2、3年生が低いレベルに合わせることは、結果として部の後退に繋がる。メニューのレベルは落とさずに、いかに一年生をフォローするかをコーチ方ともよく話し合ったことが印象的である。

一年生たちの努力や怪我への向き合い方、根気強さもあり、10月のTRでは、ほぼ全員がベスト記録を更新した。中には5kmで2分以上タイムを縮めた選手もいる。私がトレーニングチーフを務めて、1番やりがいを感じる瞬間であった。

個人としては、自分自身がメニューを引っ張っていくために、部活外の自主練に多くの時間を費やした。全体のレベルを引き上げるためには、私自身の個としてのレベルを引き上げなければならないことを、昨年のトレーニングチーフに教えていただいた。多くのOBOGの方々に支えられて有意義な練習を行うことができ、ようやくTRの歴代記録に名を残すことも現実的な目標となってきた。残りの1ヶ月半も全力でトレーニングに励んでゆくつもりである。

今年の冬は、初めてのシーズンを迎える一年生のモチベーションを保ちながら、全体のスキルアップを目指していきたい。今年は初心者が多い分、非常に難しい舵取りになることは目に見えている。12月からできるだけ長く雪上に立ち、陸上トレーニング期間で培った体力や筋力を生かせるレベルに成長させたい。

プレイヤーの成長こそが今の私の原動力である。私自身が高いレベルを追い求めながら、部員の成長を促し、悔いのない状態でインカレに臨みたいと考える。昨年度、少人数ながら死守した男子2部を上位へ、ひいては1部昇格へ、女子も1部昇格を目指せるよう、一般・アルペン班、ノルディック班ともに切磋琢磨していきたい。