今年考えていたこと / 一般・アルペン班3年 海部 圭伸

 誰もがわかっているが、今年できなかったことは全員が揃うことがなかったこと。

 経験者で入ってきたアルペン班の多くも高校や昨年までは部活での活動が当たり前であり人数が揃わない環境でのオフシーズは経験がない。早稲田や東海とは違いここにいる人は経験者も含め全員プロではない。だからこそ、学習院大学輔仁会スキー部は他大のスキー部と比較してもチーム全体としての活動によって相互に支えながら活動し、それによってチームが支えられてきた。支える環境が作れない今シーズンでのチーム作りは諦め、2年計画に変更した。変更したことで毎年できていなかった来年の支えに多少の強化をすることができた。

 部の対外目標は男子なら2部昇格、女子なら1部昇格だがこれはあくまでチーム全体の目標であってプレイヤー個人個人の目標ではない。個人の目標を立てられずになんとなく部の目標に引っ張られている部員が多く、経験者でも明確な数字で目標を立てられない状態であった。

 個人の目標を立てられなければ部への貢献などできるはずがない。コロナによりチームでの行動が制限された今年は個人の目標をたてそこに向かって計画、実行、修正のサイクルを自分自身で組み立てるいい機会となった。

 昨年まではチーフが決めたメニューをこなすことが練習であった人は改めて何のための練習なのかを自覚できただろう。サイクルを作れていた人もチームとしての行動の重要性を気づいただろう。

 個人でできることは限られ、個人でできないことの方が必要なことが多い。LSDや筋トレは個人でもできるがレペ・ダッシュや道具を使う練習はなかなか個人では続かないし必要な量をできない。このできないことをできるようにするものがチームでの練習であり輔仁会スキー部の仲間なのだろう。

 来年、今年の自分だけのための練習からでしか経験できなかったコトを通常のチームとしての練習に自分だけの+αの要素として組み込むことでコロナにつぶされた1年が意味あるものとなることを信じている。初めてのことで戸惑っていた一般・アルペン班1年生にはキツイことであったと思うがこれを当たり前にできる部員が増えれば昇格が手の届く目標となる。