“楽しむ”という強さ / マネージャー班3年 原 友梨奈

 「部活楽しい?」何気なく後輩にそう聞いた。
後輩は、「大変なこともあるけど楽しいです!」と迷わず答えた。その時私は、羨ましいと思った。そして同時に、あ、私は今部活が楽しくないんだと気づいた。

 部活を楽しめていない理由を考えた。
今年私はマネージャートップであり、幹部である。誰よりもプレイヤーを長く客観的に見ているマネージャーとして、そして部の運営を守る主務として、広い視野と厳しい目を持たなくてはいけない立場だ。だからこそ、常に立場としての目を持った自分が本当の自分の前に立っている。

 しかしその自分が、大事なものを隠していた。逆に狭いところしか見えなくなっていたのだ。その大事なものとは、各々が持っている長所や強さや気持ちである。大事なものが見えなくなって悪いところしか見えなくなっていたこと、これが部活を楽しめない最大の理由だと思った。

 去年の冬、自分がマネージャーでいる意味と頑張る理由がわからなくなっていた。私がいなくてもプレイヤーはやっていけるしマネージャーもやっていける。必要ない存在だと思った。
 しかし、インカレを見て、こんなに冬に全てを懸けている人達をほっとけないし、力になりたいと心から思った。

 私の頑張る理由は紛れもなくプレイヤーで、プレイヤーがより頑張れるように、より力を発揮できるように、より強くなれるように出来ることをするだけだ。

 直接してあげられることはあまりないし、プレイヤーのつらさを全てわかるわけではない。でも、つらいとき人は余計自分のだめなところばかりが目に付いてしまう。だからこそ、つらいときは良いところを沢山伝えてあげられる人間になりたい。そのためにも、1人1人の大事なものをちゃんと見ていたいし、大切にしてあげたいと思う。

 正直スキー部はつらいことの多い部活だ。練習がつらいのは当たり前だし、悩むこと、理想と現実のギャップにもがくこと、1人1人苦しむことも多いと思う。

 ただ、こんなに全員が同じ方向をみて全力になれる環境はほかになく、私たちはすごく恵まれた環境にいる。
 自分のいる場所を少し客観的に見てこの環境をいかに楽しめるか、それと同時にいかにつらいを探求していけるかは全てその人次第であり、それが1番大事なことだ。自分を含め1人でも多くの部員に楽しむという強さを知ってもらうこと、それが私の今年の目標である。