一般合宿と私の10年

一般・アルペン班4年 榎本 周
2009年3月26日~30日
菅平高原スキー場
 生徒として4回参加、部員としては3回参加した一般合宿。最初の参加から10年が経ち、あっという間に現役最後の年になってしまった。
11歳、小学5年生の時。姉の誘いで初めて一般合宿に参加した。スキーは楽しい、部員は優しい、宿の夕食はお肉やお寿司、アイス、綿あめの食べ放題…こんなに楽しい5日間、他にはありえない!と思った。
 一般合宿でスキーの楽しさを知り、スキーにハマってしまった私は高校でスキー部に入部。しかしお遊び半分の部活では、年間滑走日数は多くて20日。合宿内検定でお情けの1級を取得し、同期に誘われて出たアルペンレースもどうにか滑っていた、という程度だった。
大学に入り、勢いでスキー部に入部。憧れだった北海道で長期合宿、インカレ、四大、岩岳、と怒涛のように過ぎ、そして迎えた一般合宿。部員の減少もあり1年目から班のチーフとして教えるという経験をし、生徒だったはずの私がいつしか先生になっていた。今や年間60日~70日は滑っている、しかしあるのは経験のみでいまいち引き出しがない、そんな自分が先生と呼ばれることに違和感があった。だったら先生の資格を取ってみようと思い立ち、3年の春に準指導員資格に挑戦、どうにか取得することができたが、そこで得たのは引き出しの中身ではなく1番重要な大枠だった。

教えるという行為はスキーの楽しさを伝える方法でしかない。
スキーのありのままの楽しさを伝えることが1番なのである。
 一般合宿のスキーの楽しさを一般の生徒たちに伝えるという目的は今も昔も変わらない。日頃スキーにどっぷりハマっている部員が魅力を伝える、それが一般合宿の良さなのだと思う。要は資格のある・なし、スキーの上手・下手は関係ない。スキーにハマっていて、楽しんでいるのであれば皆、先生。とすると、こんな良い先生が集まったスキー合宿、他にないのではないか?
一般合宿が90年以上も続いている意味がわかった気がした。そしてまんまと私もその魅力に引き寄せられていたのである。

 スキーの楽しさを教えてくれたのは一般合宿。そして、現役生活の締めくくりを迎えるのも一般合宿。こうして振り返ると、やはり私のこの10年は一般合宿抜きには語れない。
 現在21歳、大学4年生。数か月後に迎える現役最後の一般合宿で、私は生徒にスキーの楽しさを余すことなく伝え、胸を張って卒業したいと思う。スキーマニア、一般合宿マニアを1人でも多く増やすこと、それがきっと、長い間お世話になった一般合宿への、1番の恩返しとなるはずだから。

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