卒業にあたり / ノルディック班4年 後埜上 湖子

「清々した」

インカレが終わった帰路でこのように思った。

スキー部に入ったお陰で、私の大学4年間は素晴らしいものになった。一方で、多くの失敗をし、後悔を重ねた。この4年間は、乗り越えるというよりなぎ倒しながら生きてきたように思う。いつも全力で、息切れしながら、多くのものを失いながら、それでも全てを自分の栄養分にしようと、自分の求める結果を達成しようと突き進んでいた。その時々でやりたいことは出来る限り全部やってきた。

したがって、関わってくださった方々への心からの感謝とすっきりとした気持ち以外の感情はあまりない。ここからあと400字以上何を書こうか。

そこで、おこがましいことかもしれませんが、この文章を読んでくれた、主に現役にとって少しでもためになることを書きたいと思い、スキー部で過ごしてきて学んだことをここに共有しようと思う。

それは、「自分が楽しむことが1番」ということだ。

誰に対しても言えることですが、特にチームを率いる立場になると、チームのために何かしないと、と思ってつい無理をしてしまったり、結果を出さなくてはというプレッシャーで頭がいっぱいになったりすることがあるのではないでしょうか。

まずは自分が部活・競技を楽しんでいること。今のスキー部を最高だ、大好きだ、と思っていること。それがどんな仕事や結果よりも優先すべき、根本の揺るがしてはいけないものであると私は思いました。

とても単純で簡単なことのように思えますが、自分と周囲のバランスに悩んだり、キャパオーバーしそうになったりした時はこのように考えていました。私は元々人に頼るのが苦手で、自分で抱え込んでしまい、そのせいで損をしたこともたくさんありました。しかし、一人で抱え込むより仲間に相談したり、仕事を振ってやってもらったり、“やらない”という選択をしたりする方が、自分にとっても、周りにとっても良いということが分かりました。このように思えるようになったのは、信頼できる仲間の協力のお陰です。部を引っ張っていく上級生が、周りから見ると訳の分からない不満を溜め込んで、暗い気持ちでいると、周囲を悪い方向に巻き込んでしまいます。同様に、“楽しい”も伝染します。私は部員が楽しそうにしている姿を見ることが好きで、そんな雰囲気に惹かれてスキー部に入部した経緯もあり、私も楽しく部活に取り組む人でいたいと思っていました。

だからといって、楽しくないのに楽しそうにするのは疲れます。そのため、自分が楽しめていないな、と思ったら一度立ち止まり、最優先事項としてその都度解決していく。プレッシャーで辛くなったら、やることはやってきたのだからあとは楽しむのみ、と吹っ切れる。このようなことを意識していました。

“自分“はそんなに優秀ではありません。少なくとも、私はそうです。

だからこそ、このようにすれば、周りの人に不満を溜め込むことなく、自分を支えてくれる感謝の気持ちで溢れ、周りにも躊躇なく手を差し伸べることが出来ます。何より自分が満たされ楽しく過ごせます。結果に対する後悔も減ると思います。

ゆえに、「自分が楽しむことが1番」という見解に至りました。

立ち止まった時の参考になれば幸いです。

現役には、常に高みを目指す気持ちは忘れずに、自由に部活を作っていって欲しいと思います。たくさん悩んで、やってみて、失敗して、上手く出来るようになって、その繰り返しが財産になります。そんな全力で失敗できるスキー部で、これからもあり続けることを願っています。

スキー部に入り、仲間と全力で取り組めて本当に幸せでした。

ありがとうございました。

以上です。失礼します。