スキー部での一年を振り返って

一般・アルペン班2年 佐藤 直
 月日が流れるのは早いもので、学習院大学に入学してからもう一年が経った。と同時にこの輔仁会スキー部に入部して間もなく一年が経とうとしている。入学以前からスキー部に入ると決めていた私を、新歓期間に「入学おめでとう!」というプラカードで先輩方が温かく迎えて下さった時の喜びがついこの間のことの様に感じられる。

 私にとってスキー部での一年目は、〝あっという間だった″という一言に尽きる。これは良い意味でも悪い意味でも〝あっという間″だったということである。良い意味では一日一日が充実していたからこそであり、一方での悪い意味では部活での忙しさを理由にしてそれだけで終わってしまったという点が挙げられる。

 慣れない陸上トレーニングにおいては、一年生ながらタイムレースで一位になったり、四大戦の駅伝メンバーに選ばれたりと思っていた以上の結果を残す事が出来た。自己ベストも更新することが出来て個人的にも満足のいく内容だった。また、壮行会や夏合宿の際にOBOGの方々からお褒めのお言葉を数多く頂いたこともとても嬉しかった。トレーニングに関しては入部する前からかなりハードな練習だということは耳にしていたのである程度の覚悟をしていたが、やはり実際にやってみると辛いものばかりであった。長距離よりも短距離を得意とする私としては、夏合宿の鬼の様なメニューは身体的にも精神的にもついていくのにやっとで疲労困憊状態であった。そして特に反省すべき点としては、やはりシーズン直前に発覚した疲労骨折である。後期に入って徐々に練習メニューが強化されるにつれ、疲労の蓄積とそれに耐える筋力不足が原因で起こってしまったのだ。幸い合宿前のオフ期間で療養して滑ることは出来たのだが、もっと早くに異変に気づいていれば…と後悔した。

 本番であるシーズンでは、今までのシーズンと比べて遥かに滑走日数が増えてスキーのことだけを考えて集中した生活を送ることが出来た。しかし、肝心のアルペンでの結果や技術がどうであったかと聞かれると、正直不完全燃焼で不甲斐ないシーズンだった。新しい環境下だから仕方ない、と最初は言い聞かせていたもののシーズン中盤になるにつれて試行錯誤しても上手くいかず、焦る一方であった。そんな絶不調の時、練習中のあるコーチの一言で、私の中での考え方が大きく変化した。それはまるで暗く閉ざされていた道の足元を明るく照らしてくれるような貴重な一言だった。シーズン初めの私は、周りを気にしすぎていた。自分のすべきことを見失ってしまっていたのだ。以降、こういう時もある、今は我慢の時期、と自分に言い聞かせながらペースを保つように心がけていけるようになった。

 部活を辞めたい。これはスキー部の部員であるなら誰しもが一度は考えたことがあるだろう。実際私もシーズン中部活を辞めたいと思った。大学のスキー部として過ごした今シーズンは、自由に好き勝手やっていた高校時代とは異なり辛いことや大変なことも多く、決して楽しいことばかりではない。しかしシーズンを終えた今、私は部活を辞めてはいない。既に新しいシーズンに向けて前向きな気持ちを持っている。それはやはり、言葉では表現するのが難しいが、やりがいや手応えが非常に大きく感じられたから。そしてスキー部の仲間の存在である。一年目でこれだけ得られたのだから、二年目を向かえる今年はどれだけ自分が成長出来るのか考えるだけでもわくわくする。

 春からは新入生が入って私たちもいよいよ先輩という立場になる。もう一年生ではないのだから、いつまでも先輩について行けば良いといった甘いことも言ってはいられない。昨年は何事も淡々とこなしてきた私だが、今年は目の前にあることをとにかく最大限にがむしゃらに取り組んでいきたいと思う。結果は出なかった時に悩めば良い。二年目は更に充実したスキー部生活を送れるように心新たにトレーニングに励みたい。

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