最後の年に向けて

一般・アルペン班4年 石田 真理
 3年間続けてきた部活も、いよいよ今年が最後の年になってしまいました。最後の年ということで、結果も残したいし部活も思いっきり楽しみたい!と考えています。

 1年生の頃は右も左も分からずただただ練習について行くのがやっとで、2年生の頃は男子が見事2部昇格を果たす中、女子がギリギリ1部昇格を逃し、悔しい思いをしました。3年生では上級生になり、てんやわんやしているうちにあっという間に1年が過ぎ、いよいよ最後の年になりました。夏合宿やインカレ、全てが最後の今年は、今いる部員全員とこれから入部してくる1年生皆で楽しく後悔のない結果を残し、嬉し涙を流しながら引退するのが目標です。

 3年生までで経験した楽しさや悔しさを生かしながら、走りも滑りも後輩に負けず1番を目指し、チームとしては皆で一丸となって、強いチーム力でチームの目標に向かって頑張っていきたいと思います!

スキー部での一年を振り返って

一般・アルペン班2年 佐藤 直
 月日が流れるのは早いもので、学習院大学に入学してからもう一年が経った。と同時にこの輔仁会スキー部に入部して間もなく一年が経とうとしている。入学以前からスキー部に入ると決めていた私を、新歓期間に「入学おめでとう!」というプラカードで先輩方が温かく迎えて下さった時の喜びがついこの間のことの様に感じられる。

 私にとってスキー部での一年目は、〝あっという間だった″という一言に尽きる。これは良い意味でも悪い意味でも〝あっという間″だったということである。良い意味では一日一日が充実していたからこそであり、一方での悪い意味では部活での忙しさを理由にしてそれだけで終わってしまったという点が挙げられる。

 慣れない陸上トレーニングにおいては、一年生ながらタイムレースで一位になったり、四大戦の駅伝メンバーに選ばれたりと思っていた以上の結果を残す事が出来た。自己ベストも更新することが出来て個人的にも満足のいく内容だった。また、壮行会や夏合宿の際にOBOGの方々からお褒めのお言葉を数多く頂いたこともとても嬉しかった。トレーニングに関しては入部する前からかなりハードな練習だということは耳にしていたのである程度の覚悟をしていたが、やはり実際にやってみると辛いものばかりであった。長距離よりも短距離を得意とする私としては、夏合宿の鬼の様なメニューは身体的にも精神的にもついていくのにやっとで疲労困憊状態であった。そして特に反省すべき点としては、やはりシーズン直前に発覚した疲労骨折である。後期に入って徐々に練習メニューが強化されるにつれ、疲労の蓄積とそれに耐える筋力不足が原因で起こってしまったのだ。幸い合宿前のオフ期間で療養して滑ることは出来たのだが、もっと早くに異変に気づいていれば…と後悔した。

 本番であるシーズンでは、今までのシーズンと比べて遥かに滑走日数が増えてスキーのことだけを考えて集中した生活を送ることが出来た。しかし、肝心のアルペンでの結果や技術がどうであったかと聞かれると、正直不完全燃焼で不甲斐ないシーズンだった。新しい環境下だから仕方ない、と最初は言い聞かせていたもののシーズン中盤になるにつれて試行錯誤しても上手くいかず、焦る一方であった。そんな絶不調の時、練習中のあるコーチの一言で、私の中での考え方が大きく変化した。それはまるで暗く閉ざされていた道の足元を明るく照らしてくれるような貴重な一言だった。シーズン初めの私は、周りを気にしすぎていた。自分のすべきことを見失ってしまっていたのだ。以降、こういう時もある、今は我慢の時期、と自分に言い聞かせながらペースを保つように心がけていけるようになった。

 部活を辞めたい。これはスキー部の部員であるなら誰しもが一度は考えたことがあるだろう。実際私もシーズン中部活を辞めたいと思った。大学のスキー部として過ごした今シーズンは、自由に好き勝手やっていた高校時代とは異なり辛いことや大変なことも多く、決して楽しいことばかりではない。しかしシーズンを終えた今、私は部活を辞めてはいない。既に新しいシーズンに向けて前向きな気持ちを持っている。それはやはり、言葉では表現するのが難しいが、やりがいや手応えが非常に大きく感じられたから。そしてスキー部の仲間の存在である。一年目でこれだけ得られたのだから、二年目を向かえる今年はどれだけ自分が成長出来るのか考えるだけでもわくわくする。

 春からは新入生が入って私たちもいよいよ先輩という立場になる。もう一年生ではないのだから、いつまでも先輩について行けば良いといった甘いことも言ってはいられない。昨年は何事も淡々とこなしてきた私だが、今年は目の前にあることをとにかく最大限にがむしゃらに取り組んでいきたいと思う。結果は出なかった時に悩めば良い。二年目は更に充実したスキー部生活を送れるように心新たにトレーニングに励みたい。

今年の抱負

ノルディック班3年 田中 美都
 3年生になれました…..というより、ついになってしまいました、運営学年。4月から部活が再開されますが、原稿を書いている3月某日、全くその実感がわきません。先日の幹部交代で女子トレーニングチーフに任命されましたが、まだ小林と細かい話をしていないので、私個人が今年はこうしたい!こうなりたい!と思っていることを書きたいと思います。

 まずはじめに、女子トレーニングチーフなので女子のことから書きますと、私たち女子は昨シーズンで基礎を固め、今シーズンで1部昇格を目標としています。なので、今年は1部昇格が最大の目標です。その目標を達成する為に、今年は練習の形態を変え、何かに偏るのではなく総合的に体を鍛えられるようなトレーニングを考えていきたいと思っています。
 また、個人的に昨シーズンはメンタルの弱さも浮き彫りになったので、プレッシャーを適度に感じることができるようなトレーニング、部活の運営をしていきたいです。1部昇格は4年生女子が多い今年を逃すと、しばらくチャンスが来ないと思うので気合いを入れて頑張りたいと思います。

 そして、スキー部は女子だけの部活ではなく男子部員もいるので、お互いがお互いの足を引っ張るのではなく、切磋琢磨できるように、開放的で団結力のある部活を作り出せるよう努力したいと思います。その為にも、若干壁が感じられる小林との仲ももっと深めたいと思います。
 個人的な目標は、まず昨シーズン痛めていた腰の完治を最優先にしたいと思います。去年は腰が痛く、練習に参加できなくて悔しい思いをしたので、悪化する前に、日頃のケアをしっかりして部活に支障が出ないようにします。ましてや、今年はトレーニングチーフなので練習でしっかり部員をひっぱっていけるよう、細心の注意を払います。

 昨シーズンの私達はインカレでノルディックでもアルペンでもポイントを取ることができたので、今年はより上位ポイント狙って部員は勿論、学習院大学スキー部関係者の皆様にも記憶に残るようなシーズンにしたいと思いますので、部活をきちんと引っ張っていけるように、また3年生の中で1番しっかりしてると他の部員に言ってもらえるように、1年間頑張ります。よろしくお願いします。

今年の抱負

ノルディック班2年 吉野 智則
 スキー部としての自分のこの一年は、充実していた年であったが満足できないところや学ぶことがたくさんあった年でもあった。

 スキーについて何も知らず、サッカーしかやってこなかった自分にとっての陸上トレーニングは練習に入りやすく、慣れやすいものであった。体力に自信があったわけではないが、練習についていくことは出来ていたし、日が経つにつれて体力がついていっていることもタイムレースで記録が更新されていくことで感じることもできた。けれど、出来なかったことがあった。それは、タイムレースをトップでゴールすること。いくら自分の記録が良くなっていたとしてもそれより上がまだいるということは、素直に喜ぶことは出来ないし、喜んではいけないと思う。

 陸上トレーニングが終わり、冬になりシーズンを迎えた。初めて雪上に立ってみると滑ることは楽しかったが、練習を重ねていくにつれてうまく滑れない自分にもどかしさも感じていた。環境に慣れないせいか、何度も熱をだし点滴や注射を打つこともあった。早くうまくなりたいという思いが焦りを感じさせ、何度も自分がイヤになった。しかし、そんな自分を奮い立たせてくれたのは、先輩の滑る姿と2部残留に対する熱い思いであった。自分が足を引っ張ってしまったら、迷惑をかけてしまう。偶然にインカレが2月で時間があることから、そこに向かって一生懸命練習をした。

 それでも、技術面などに不安を抱えながらインカレを迎えた。サッカーとは違ったスキーの大会の雰囲気を感じながら、残留のためにリレーの日に向けて、調整しながら個人競技を終えた。そして、2月24日のリレーを迎え、1走である自分はスタートすると個人のときとは違い周りのペースが速く、半分を終えたところで疲れがかなりでていた。何度も心が折れそうになったが、自分の後には仲間たちが待っていること、残留のために懸けてきたきとことが自分を走らせてくれた。仲間たちの奮闘があり、結果は残留。自然と涙が流れた。残留に懸けてきたこの1年が報われた瞬間であり、お世話していただいた4年生方の最後を飾れたというのと同時にもっと速くバトンを渡したかったという悔しさもあった。

 残留の原動力になった先輩が抜けて自分は2年目であるが男子ノルディック班として最上級生であり、引っ張っていってもらう側から引っ張っていかなければならない立場に変わる。日々練習に励み、技術や体力をより一層向上させていき、陸上ではトップをとることにこだわり、雪上では抜けた先輩の記録に追いつくことではなく追い抜くことを目標に頑張っていきたいと思う。そして、「負けから学ぶことがある」という言葉があるが、負けたり降格するくらいだったら何も学ばなくていい、勝ち続けたい。むしろ、勝ちや残留することから何かを学びたい。
 

今年度の抱負

一般・アルペン班3年 小林 晋也
 トレーニングチーフとしてトレーニングを考えるうえで僕が意識してやっていきたいことが2つあります。

 1つは怪我を避けるために体のケアを怠らないこと。今までのトレーニングでは時間の都合などでアップ・ダウンの時間を減らさざるを得ず、結果として昨年は1年間怪我人が絶えず出てしまいました。怪我をして練習量が減ると本人は歯がゆいでしょうし、チーム今年は明確な対策を取って、1年間通してみんなでトレーニングに取り組めたらと思います。

 もう1つは強いスキー部にするためのトレーニングを行うことです。僕は大学生活の大半を費やして行う部活動、どうせやるなら勝ちたいです。中途半端に練習してなんとなく大会に出るよりは、本気で取り組んでやれることは全部やったと思える状態で大会に臨むほうが充実度は断然上だと思います。そのために、オフシーズンは冬につながる練習を組み、そして部員にはそのことを理解したうえで練習に取り組んでもらえるように努力して、結果として強いスキー部の基盤を作れればと思います。

 色々ごちゃごちゃ書きましたが、少なくとも、本年度の部活動を部員にとって「1年間頑張ってよかった」と思ってもらえるようなものにできるようにがんばります。

一番楽しく!

一般・アルペン班4年 新倉 優季
 「スキー部で過ごす4年間は本当にあっという間だよ。」という言葉を聞いてから、気が付けばあっという間に4年目を迎えようとしている。私の3年間を一言で表すと、“成長”である。入部したての頃、自分が女子主将兼副将に任命されるなど微塵にも思わなかった。

 3年前の4月。新歓活動にてスキー部を探したがなかなか見つからなかった。やっと出会えて部室に行き、そこから私のスキー部人生が始まった。部室で偶然会った同期と一緒に入部宣言をし、そこから始まった練習は思ったより厳しくてついていくのがやっとだった。初めてのシーズンでは技術面、生活面などについていけず退部も考えたが、先輩や同期に支えられて続ける決心ができた。そして最後は何よりも、先輩が引退してしまうことへの悲しみが一番大きかった。

 2年目は、一般合宿を担当することになった。初めて任された役職で不安と心配しかなかったが、本当にやれて良かったと思う。この経験があったから今があると言っても過言ではない。参加して下さった生徒たち、協力して下さった宿舎、OB・OG方には感謝の気持ちでいっぱいだ。そして、女子の先輩がいなくなってしまうことにとても不安を感じつつ3年生になった。

 3年目は、主務・会計に任命された。正直任されると思っていなかったので何をすればいいのかわからず失敗もたくさんしてしまったが、一番成長できた経験だった。プレーヤーをしつつ事務的な仕事ができるほど器用ではないのでかなりとまどったが、そこにやりがいを見出せるようになり楽しくなってきた。何よりも部活と部員が大好きになった一年だった。

 今年の抱負としては、『誰よりも楽しむ、楽しませる』である。たくさんの経験をさせてもらい、結果楽しい3年間だったが、更に楽しい一年を過ごして4年間を終えたいと思う。そして楽しませてもらった分、楽しさを伝えたい。副将としての目標は、『一番のサポート役』である。退部決意など辛い経験をした分、部員の辛さを共有できるようなサポート役になりたい。今自分の目の前にあるものに没頭し、課せられたものを全うしようと思う。
 

体力倍増!精神力3倍増!! 2010年度夏合宿

ノルディック班3年 鎌形 なる美
 本年度の夏合宿は9月1~5日に菅平高原にて行いました。
東京の猛暑から離れ、練習に集中できる環境を求め菅平に向かったわけですが、今年は菅平まで暑い!東京よりは涼しいですが、昨年よりも蒸し暑かったように思います。そのようなわけで、練習は暑さとの戦いでもありました。

 さて、今回の夏合宿ですが、出発前に「何のために夏合宿に行くのか。」を部員全員が明確にするために合宿の目標を考えました。今年の目標はズバリ、「体力倍増!精神力3倍増!!」。傾斜のある場所での練習による体力増強はもちろんですが、5日間の合宿生活で精神もどれほど追い込んで走りこめるかという意味を込めた目標です。
 自身がこの目標を達成出来たかと申しますと、結果的に前半部分だけの達成で終わってしまいました。前半の「体力倍増」に関しては、昨年の自分と比較すると練習前後の身体のケアがしっかり出来たことによって練習自体に集中して望め、全力を尽くしてトレーニングをこなすことが出来ました。アップやストレッチに加え、宿の方が水風呂を用意して下さったので、練習後に利用することによって次の日の疲労が軽減したのが大きかったように思います。

 しかし、後半の「精神力3倍増」に関しては、私自身3度目の合宿で良くも悪くも要領をつかみ始めていたため、昨年よりもこの点での成長が少なかったように思います。この目標は、初めての練習メニューや合宿生活に追われ大変だった下級生の方が上級生よりも達成できた人が多いのではないでしょうか。ただ、自分の中で昨年の夏合宿と比較すると、走っていて苦しくなった時の、昨年の「もう無理だ!」が、今年は「もう無理か?いや、もう少し。まだ頑張れる!」に変わってきた気がします。私にはあまり備わっていなかったと思われる意地や根性と言うものが少しは得られたのでしょうか。これは、夏合宿での私の収穫だと思っています。

 また、今回の合宿の収穫はもう1つあります。(その収穫に気付いたのは夏合宿を疾うに終え、近頃1人で走っていた時のことなのですが。)それは、部活で部員の仲間とともにトレーニングをする価値を再認識できたことです。

 私は、考えてみたのです。1人きりで5日間毎日午前も午後もひたすら走ることは出来るのかと。やはり私は陸上選手ではないので出来ませんし、やりたいとも思いません。でも部活で、部員とともに走ると頑張れることが出来るのです。正直に言えば、単純に部員同士の励まし合いがあるからだけではありません。負けたくないという上級生としてのプライドや、先輩も応援に来てくれているから恰好悪いところを見られたくないという意地もあります。しかし原動力が何であれ、「部員」と走ることが自分を奮い立たせ、きついトレーニングも乗り越えられるのだと思います。普段のトレーニングではなかなか感じにくいですが、夏合宿は様々な原動力が集約された場だからこそ、強く認識させられました。
 
 以上私の主観的な感想による簡単な報告にはなりますが、他の部員にとっての夏合宿の感想はそれぞれだと思います。たくさん成長できた、辛かった、とにかく必死だったなど色々あるはずです。是非壮行会や総会にいらっしゃっていただき、先輩方の夏合宿の思い出を交えながらお話が出来ましたら、大変嬉しく思います。

一般合宿のご報告

一般・アルペン班3年 新倉 優季
 3月25日から一般合宿が始まりました。今年は例年に類がないくらい寒く合宿中ずっと悪天候の予報が出ていて、その上日にちに恵まれず参加生徒は10名だったため幸先のいいスタートということはできませんでした。

 菅平に近づくにつれてだんだんと天気が崩れてきて、遂に予報通り雪が降り出し、風が強く吹いていました。初日は生徒の安全を一番に考えつつゲレンデに出て班分けをし、予定を早めて宿に戻ろうとしたところ、生徒全員が『もっと滑りたい!』と口をそろえたのです。この言葉が5日間の心の支えとなりました。生徒たちは宿に戻っても疲れを見せず楽しそうに笑いあっていて、その笑顔を見ると私も元気が出てきました。今回の合宿で一番気をつけていたことは、安全です。初心者や初めて合宿に参加する生徒が大半を占めているのに加え悪天候だったので、絶対に無理だけはしないようにと心がけておりました。私が受け持った班は初級者の班でした。たくさん転んでいた子もだんだんと転ぶ回数が減りスピードが出てきて、級を取得できるまでになりました。

 一般合宿の5日間の中で私が一番好きなのは最終日の総合滑走です。チームはくじで決めるので、様々なレベルの子で構成されています。多少部員が助言はするものの、内容は生徒たちが話し合って決めます。吹雪の中、雪面にイメージ図を書きながら考えたりリフトに乗りながら話し合ったりしている姿からは生徒の成長が伝わり胸を打たれました。生徒自ら部員に意見を求めたりビデオ撮影を頼んできたりする姿は、初日の無邪気な笑顔からは想像ができないほど輝いた目をしていました。
 そしてやってきた本番。滑る直前の緊張な面持ちからは、昨日どれほど頑張っていたかがわかりました。みんな優勝を狙い、しかし他のチームを見ると褒め、ここでもまた生徒の成長を感じ取ることができました。

 一般合宿を行い、生徒のスキー技術の向上だけでなく内面の成長を見ることもできました。そして教えるという行為から部員のスキー技術向上にもつながり、普段接することの少ない小学生や中学生と生活を共にすることによってたくさんのことを学ぶ機会になりました。

 ここで学んだことを忘れずに、あと2回の一般合宿を楽しみたいと思っております。合宿を無事に終えることができたのは暖かく迎えてくださった宿の方、安全のサポートをしてくださったパトロールの方、そしてたくさんのOB・OGが支えてくださったからです。心から感謝をしております。ありがとうございました。
 

“You’ll never walk alone”~もう、一人じゃない~

一般・アルペン班3年 高山 元成
 「スキー=孤独」。これは、今まで私の中で成り立っていたスキーに対する方程式である。高校時代からスキー部に所属していた私だが、基本的には個人練習、個人行動が常であった。もちろん、周りにスキーを一生懸命やっている友達などいない。だから、私がスキーをする時は、常に一人だった。ただ、個人競技に憧れてスキーを始めた私にとって、別にそれは特におかしいことでも何でもなく、普通のことだと思っていた。

 大学に入って、特に他に何もやることもなかった私は、とりあえずスキー部に入った。大学のスキー部は、高校時代と違い、みんなで長い合宿生活を送るし、陸上トレーニングもみんなでやる。そういった団体生活をするようになった。当時1年生の私は、それを煩わしいものと感じることもあったし、反面、楽しいと思うこともあった。でも、最初は4人いたはずの同期の男子が1人、また1人と辞めていき、1年目のシーズン前には結局私1人になっていた。何よりも、結局実際の試合になれば、頼れるのは自分1人だけ。なんだかんだ言っても、「スキー=孤独」は変わらなかった。

 それが、2年目の冬、変わった。「スキー≠孤独」に変わった。きっかけは、ノルディック班部員不足によるインカレリレー出場である。2部に昇格して1年目のインカレでリレーにしか残留の活路を見出せない。そんな状況下で、今までアルペンしかやったことのない、ノルディックに関してはド素人の私が出場することになった。だから、昨年1年間を半ノルディック班として必死に活動した。12月には、ノルディック班の全合宿所に行った。そして、ノルディック班の部員もそんな私を温かく迎えてくれ、自らの練習を差し置いて、私の練習についてくれた。この人達に報いたい。その一心で私はさらに頑張った。
 そして、1月17日インカレリレー本番。アンカーとして先輩達が戻ってくるのを待つ私の心は妙に落ち着いていた。3走までの一緒に練習してきた先輩達を信頼していたからだ。何とかリードを作って帰ってきてくれると信じていたからである。だから、繰り上げスタートになっても特に焦ることもなかったし、途中で転んだ時も落ち着いていた。だから、あのリレーでは、最高の走りができたし、結果、学習院大学を2部に残留させることができた。ゴールした時に、応援してくれた部員、OBの方々、他大学の友人、そして共に走ったリレーメンバーに「ありがとうございます」を連呼していたのは今でもよく覚えている。今まで「試合では頼れるのは自分だけ」と思っていた私が、みんなを信頼できるようになった。「スキー≠孤独」とこの時、感じることができた。

 そして、今、私は3年になった。いわゆる「上級生」と言われるものになった。もう甘えることはできない。早くも壁にぶち当たっている。昨年の4年が5人も減って、戦力ダウンが避けられない女子、上級生プレーヤーが3人しかいなく、下級生に指導が徹底できない男子、部員数3名まで減少したノルディック班、相も変わらず温暖化による雪不足に悩まされるアルペン班、物価高によるスキー用品価格の上昇、それに伴う金銭面での苦労、新入生がスキー部に求めるニーズの変容、他大学が次々とスポーツ推薦を導入していること、就職難に悩まされる新4年生、個人的には卒業単位の問題…言っていけばキリがないくらいに問題が山積している。さらに言えば、私には、トレーニングチーフという役職上、スキー部の運営に携わらなくてはならない。練習の質を上げるのか、量を増やすのか、チームの底上げをするべきなのか、上を伸ばしていくべきなのか。上手く道筋を作れないままの手探り状態の部活運営。
 でも、大丈夫だと思う。それは、私が周りの人を信頼できるようになったからである。フォローしてくれる4年生がいる。仕事を手伝ってくれる下級生がいる。共に頑張れる同期がいる。私たちを気にかけてくれるOB・OGがいる。支えてくれる監督・コーチがいる。大きな問題はたくさんあるが、OBやOG、監督・コーチ、そして部員。全てのスキー部に関わる人が一丸となって、諸問題に取り組む。私はそういう部活を作っていきたいし、そういう部活は強くなれるのだと思う。そして、それはきっと実現することができるはずである。もう、私は一人じゃないのだから。