一般合宿

一般・アルペン班4年 片桐 依代
2009年3月26日~30日
菅平高原スキー場
 今年の一般合宿には就職活動と重なったことにより、皆から2日ほど遅れて参加することになった。合宿が行われている菅平に向かう道中、一人であったためさまざまなことを考えた。結果、私たち部員が責任を負って子供たちを5日間お預かりするこの一般合宿は、失敗の許されない非常に怖いモノだと改めて感じさせられた。また父もかつて参加し、90年もの歴史がある合宿を、自分が現役の時代に途切らせてはならないとも思い、気を引き締められる思いがした。
 宿に到着したのは夕方で、子供たち全員と顔を合わせたのは夕食時だった。合宿が始まって2日。皆まだまだ元気で、でも出発の見送りに行った時よりも確実に逞しい顔つきに変わっていた。部員たちとも既に仲が良さそうにしていることが見受けられ、早く私も子供たちと仲良くなりたかったので、まずは名前を覚えるところから始めた。しかし、1年目の一般合宿ではすぐに覚えられた名前が全く覚えられなくなっていて、こんなところで歳を取ったなと実感した。一人ひとりの顔と名前を反復しているうちに、私の初日は終わってしまった。

 今年担当したのは3班。この班の方針としては技術指導よりもとにかくスキーを楽しんでもらうことであり、滑走量を多くした上にジャンプ台から飛ぶなどのメニューを行った。沢山滑り沢山転び、彼等はどんどん上達していった。また初めて体験するジャンプにはキャーキャーと叫びながら楽しんで挑戦していたが、やはりヒヤヒヤする場面も多く、楽しいスキーと安全なスキーの両立の難しさを痛感した。今でもジャンプは止めるべきだったと反省している。今回はなんとか無事に怪我もなく親御さんたちの元へお返しできたが、改善点は多いと思う。とにかくこの一般合宿は子供がメインキャストであり、いかに安全かつ楽しく過ごせるかが最重要ポイントだ。部員はこの考えを共有してより良い合宿の実現に努めいければならない。
 一方で一般合宿は3月の終わりにあり、4年生にとっては最後の部活動である。今回は私にとって一番長く苦楽を共にした小川先輩、大原先輩、西先輩と一緒にいられる最後の時間だった。沢山のことが思い出され、感慨深い合宿だった。1年後には私たちの代も同じようにこの一般合宿をもって引退しなければならない。後悔のないようにそれまでの時を過ごしたい。

一般合宿現場レポート

一般・アルペン班2年 矢島 優里
2009年3月26日~30日
菅平高原スキー場
 2008-2009シーズンのラストを飾るのが、この一般合宿であった。初めて生徒たちを引率し教えるということで、初めはかなり緊張していた。1年生なので雪上では先輩のサポートに回るだけでよかったが、本当に部員たちだけで教えて、生徒に怪我をさせないでいられるか、無事家に帰すことはできるのだろうか、という不安が大きかった。
 
 合宿当日。朝早く出発したバスの中で、小学生達にジェネレーションギャップを感じつつも、順調に宿に到着した。生徒と同じ部屋ということで、若干緊張しつつ部屋に行ってみると、小4の女の子3人と同室だった。小学生の元気なこと元気なこと。初め油断していたせいで、口の達者な女の子達にKOされてしまった。今どきの女の子ってすごい…!だから一般合宿の感想といえば、生徒達が元気だったこと、これが一番印象に残っているかもしれない。
 初日の夜のお楽しみ会では、皆で楽しくゲームをした。最後になって、同室の女の子達からキーホルダーのプレゼントをもらった。なんてかわいいんだ小学生!!早速ウェアにつけ、それを見るたびに顔がにやけてしまう。

 レッスンでは、榎本さん率いるTEAM・小4。やっぱり皆元気だった。どこから来るのかわからないそのパワー。休憩タイムは休憩じゃなかった。子供たちとの真剣・雪合戦。雪合戦というより、私VS生徒達だったので、ほぼ一方的な展開による敗戦である。私が転んでも容赦のない攻撃のおかげで、一日の体力を使い果たすことになってしまった。私と同じくやられまくってマジギレしていた先輩Wさん。巻き込まれたくないと、安全な場所から傍観していた同期達。生徒達に恐がられ、全く攻撃を受けていなかったチーフのEさん。そして何よりも、凍死するのではないかと心配するほど埋められていたOBのOさん。皆思い思いに楽しんで遊んでいたと思う。
 
 私が一番驚いたのは、生徒たちの素直さである。雪上でやってはいけないルールをきちんと守っていたことである。食事では「先生残していい?」と聞いてくる子供たちがかわいくてしょうがなかった。
 一般合宿といえば、検定を受けることができるのが何よりの特徴だと思う。私も1級に挑戦したかったが、家庭の事情により急遽帰ることになってしまい、受けられなかった。だから生徒達が受けるところも、団体戦も、最後の納会も出られず、非常に残念であった。
 終えてみると楽しかった一般合宿。怪我人も出ず、無事終えることができて本当によかったと思う。これも、前合宿から指導して下さった榎本コーチをはじめ、お忙しい中時間を割いて来て下さった村松部長、阿部さんや山崎さん、OBの方々のおかげである。そして私の一般合宿はまだまだこれから、あと3回はある。来年子供たちの成長した姿を見るのも、2年生になって成長しているはずの自分の姿を見せるのも楽しみである。来年は小学生の流行りものをおさえて臨みたいと思う。

第36回 全国学生岩岳スキー大会(基礎)

一般・アルペン班3年 杉田 貴洋
2009年3月1日~5日
白馬岩岳スキー場
 一般・アルペン班として忘れてはいけないのが、デモ競技である。どうしても、二つの班が同時にやりくりするのは難しく、アルペンの練習に偏りがあるという面も否定できないともいえる。そんななかでデモ競技として一番大きな学生大会が3月に行われた。それが全国岩岳学生スキー大会・基礎の部である。
 デモ系をメインとする部活はもちろん、サークルも集まるこの大会はデモのなかでかなりレベルの高いものがある。普段、デモを専門に練習することが資金的にも難しい状況のなかで、モチベーションをあげ、その大会にて実力を発揮するのは実際のところ、不可能である。そのなかでも、我々は個人的な居候やスクールアシスタントのアルバイトを経て一定の成績を出すことができたと評価できるのではないだろうか。

 男子では小川、女子では榎本・片桐が決選まで進み、その実力をだすことができた。1年生の高山・石田・矢島・新倉が人生に1度しか経験できない新人戦をこなしたということも本人たちの今後につながるなにかが得られたのではないかと思う。特に、女子新人戦3位をとった石田は、すばらしい思い出ができたのではないだろうか。多くの学生スキーヤーをみることができ、そこから刺激を受け、デモ競技の楽しさを再確認する上でも岩岳大会は、重要であると思うしこれからも続けていきたい。さらに、技術向上のためにも積極的に滑る機会を増やすことや、今年、榎本・杉田が準指導員を取得した経験のようにスキーの楽しさを広めていく活動にも岩岳大会を通して行っていきたい。

Precious Memories with my Lovely Friends

学習院女子大学スキー部 鬼澤 文乃
2009年3月26日~30日
菅平高原スキー場
 「スキーって簡単!楽しい!」、そう思ってもらえるレッスンをすること、これが私のモットーです。一般合宿では上級班を担当させていただき、個々のレベルUPと級別テスト合格に向けてレッスンして参りました。この4年間で感じた一般合宿における大きな変化と、私自身特に思い入れのある学生生活最後の一般合宿について振り返ってみたいと思います。

 まず、一番印象的なのは一般合宿を通しての生徒たちの“眼”の変化です。毎日違う顔を見せる大自然の中、スキーが楽しいと生徒たちは目を輝かせ向上心に溢れていました。話を聞くこと・何でもチャレンジすること、それが私の班での約束です。「教わったことをやってみたらできちゃった!」という感覚が生徒たちの意識を高め、小さな上達を積み重ねていきました。生徒が自分自身で実感できた時、もっと楽しく、もっと大好きに、そしてもっと頑張ろうというパワーに変わっていきました。思い起こせば4年前、やんちゃだった子供たちが、今ではゲレンデのルールを守り、誰よりも積極的に講習を受けています。時には私が声をかける前に「今のどうだった?」と聞いてくる程でした。みんなの楽しそうな笑顔とキラキラとした目の輝きが強く心に刻まれています。

 2009年3月、現役として最後の一般合宿を迎えました。生徒、部員ともにスキー技術が年々向上してきているなと強く実感しております。今回の合宿においては春の菅平に珍しく粉雪が舞い、バーンも良く、日中は青空も顔を出してとてもいい状況の中スキーを楽しむことができました。検定会では、昨年に引き続き生徒1名がバッジテスト2級に合格し大きな喜びとなりました。初心・初級クラスでも、前回参加時・合宿初日に比べ、飛躍的に上達している姿がたくさん見受けられました。今後の更なる進化がとても楽しみです。
 一般合宿を通じて、生徒たちはスキーの楽しさやチャレンジすることの大切さを学び、そして努力の先に「出来なかったことが出来るようになる」という喜びをみんなが自然に感じてくれたことと思います。この喜びや楽しさをいつまでも忘れずに生涯スポーツとしてスキーを続けていってくれたらいいなと願っています。

 最後になりましたが、4年間支えてくださいましたOB・OGの先輩方、後輩のみんな、そして大好きな同期のみんな、本当にありがとうございました。皆さんがサポートして下さったように、私も今後学習院スキー部のお力になれたらと思いますのでこれからもどうぞよろしくお願い致します。