躬行実践 / ノルディック班1年 吉田 圭汰

  「問題を見つけ、その解決に向けて知識を再構築し、自ら実際に検証し、また問題を見つける。この循環こそが学問だ」

 私が尊敬する評論家・勝間和代氏は、慶應義塾大学の講演会でそう語っていた。中学一年生の時にそれを聞いて以来、彼女の言葉は私が何かを学ぼうとするとき思い起こされる。

 冬を迎えて初めて取り組んだクロスカントリースキーでもそれは同じことだった。
 板の感触、ワックスの知識、その他諸々の技術は私にとっては「問題」であり、日夜研究の連続だった。上手くいかない時は四年生の赤司さんにコツを聞いたり、OBの先輩にアドバイスを頂いたりした。時には動画サイトでワールドカップ出場選手を見ては自分の滑りと比較し、実際に真似もしてみた。そうして限られた時間の中で貪欲にヒントを得つつ、一個ずつ課題を論理的に解決していってはまた違う課題が発現する。この意味で学問とスポーツは同じだ。
 
 正直なところ、ここまでスポーツに真摯に向き合い、思考を巡らせたことは一度もない。それでもこれ程まで自分を追い込めたのは、やはり同期三人と二年生の平岡さんの存在あってのものだろう。ノルディック初心者四人と競争相手が多い中、負けず嫌いな自分の性格と陸トレで培った粘り強さが功を奏していた。

 まだ一年目の勝負は始まったばかり。何が自分に足りていないのか考えつつ、実際にアクションを起こしていく姿勢だけは貫きたい。

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