白銀の世界に憧れて / 1年 間瀬 麻日

 新歓期間最終日。春風に吹かれて桜の花びらが舞い散る中、高鳴る胸の鼓動を落ち着かせて、スキー部の部室の扉をノックしたことをつい先日のことのように思い出します。

 私は中学生時代にバトントワリング部で自分の未熟さからあまり部活についてゆけず、もう体育会系の部活とは縁のない人生を送るんだろう、と漠然と思っていました。高校生時代に過ごしたアメリカの高校ではソフトボールやテニスはしていたものの部活ほど厳しいものではありませんでしたし、1年半の間だけ通った日本の高校でも放送部という文化系の部活でさらに幽霊部員的存在でした。

 そんな私がスキー部に入ろうと思ったきっかけを綴らせていただきます。

 両親がスキーをしていたということもあり、物心着く頃にはもうスキー板を履いてゲレンデで冬を過ごしていました。競技も少しだけ小学生の時にかじってはいましたが、経験者と呼べるほどのものではありません。

 大学が決まってサークルに入るか迷っていた時、母にスキー部はどう?と冗談半分に勧められました。私なんかが入ってもついていけるわけないよ、と返したのですが私の心の中でその選択肢は徐々に膨らんでいくものとなります。

 スキーの話題がいつも尽きない家庭で、つい最近まで競技をしていた姉と全国を目指している弟がいる中、何もしていない私だけ唯一その話題に混ざることができないことに寂しさを感じている部分が正直ありました。
 しかしながら、体育会系という世界に入ることに多少の抵抗を感じており、最後までどうするかとても悩んでいました。運動は苦手ではないですが決して好きとは言えず、どちらかというと外に出ることにすら億劫に感じるほどです。

 そんな私がスキー部でやっていけるかどうか不安でしたが、勇気を振り絞ってスキー部の部室に向かうととても暖かく迎えてくださった先輩方と居心地のよさが好きになり、最終的には新歓期間の朝練には全て出席するほど自分にとっての楽しい空間になっていました。

 朝練はお世辞にも楽と言えるものはなく、いつも自分との戦いです。辛くなって走るのをやめたくなる時もありますが、誰一人として泣き言を言わず汗を流しながら頑張っている先輩方や同期の姿をみると私ももっと頑張らなければ、と自分を奮い立たせることができるのです。

 本入部して、一年生として覚えなければいけないことが数多あります。これからたくさん苦しいことや辛いことがあることも重々覚悟の上です。至らないところも多くあると思いますが、努力して参りたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 失礼します。

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